もうホント、月曜なんだから頼む。
寝たかった、やる気なんて全然なかった。
もうホント、勘弁して・・・。
目覚ましの前にエルが鳴く。
目覚ましが鳴る。
イヤだ、起きたくない。
今日は月曜日じゃないか。どうりで辛い訳だ。
布団の中で朝ご飯のメニューを考える。
できるだけ簡単なやつ。サッサと作って寝るぞ。
思いついたのは、前日の朝に作ったガンモ料理の残り物とご飯、お湯を注いで作るスープ、以上。
よし、そうと決まったらサッサと起きて、一刻も早く布団に戻るのだ。
こんなに急ぐのには訳があった。
今日は午前中にパロマが来るのだ。私が2週間ほど前にガスコンロを壊してしまった。
吹きこぼれたら2ヶ所つかなくなってしまったのだ。
1番火力のあるやつがやられてダメージがでかかったが、なきゃないで慣れるものだ。
パロマの修理さんを調べて呼ぶ手間を考えると、火力ダウンで1ヶ所しか使えない方が楽だったので、こんなに時間が経ってしまった。
ところがこの休みにダンナが電話をして呼んでしまった。
いつがいいか聞かれ、確かに「午前中ならいつでもいい。」と答えたが、まさか月曜日にしてくれるとは。
私だってその時は忘れていたが、自分は月曜日は使い物にならないのだ。
とにかくサッサとご飯を出した。
テーブルを拭くのも面倒だったので、昨日の手拭きがまだ出しっぱなしで出ていたのでそれで拭いた。生乾きでいやな感触であった。
コーヒーは省略。
昨日の残りはレンジでチン。
お、意外と早く終った。これならちょっとまとまって寝れるね。
オ~、マイガッ!!
娘ぶー子の弁当!!
チンチンチンと立て続けに鳴り響かせ、ぶー子の弁当は終了だ。
ちょうどぶー子が下りて来たので、「タ~ッチ、交代。」と手を取って、入れ違いに寝室に行った。
ぶー子はポカンとしていた。
パロマは何時に来るかわからない。
来る前に電話をくれるらしいから、いきなりこの汚い部屋を100%晒すことにはならないだろうが、
それにしてもかなりの片づけが必要な状態だ。
昨日知った時点では、「コンロ周りをサッと拭いておけばいいか。」と特に何もしなかったが
他人が家に入るのだ。あまり汚いと恥ずかしいではないか。
なので目覚ましは9時にセットして布団に入った。
ところが目覚ましが鳴る前に目が覚めてしまい、なんで目が覚めたのか不安になってしまった。
「目覚ましが鳴ったのに気付かなかったのか?」
「目覚ましの設定を間違えたのか?」
心配で目覚ましに手を掛けたら、誤って落としてしまった。
うわ~、寝ぼけたまま済まそうと思ってたのに、どんどん目が覚めてしまう~。
拾った目覚ましは時間が12時ジャストになっていた。
電波時計なのだ。落ちた拍子にリセットされてしまったのだろうか。
面倒な事になった。一体今何時なんだ?
もういい、どうせ部屋を片付けなくてはならないのだ。
早く目が覚める分には後悔はないだろう。
そう思って今度は目覚ましを12時15分にセットして寝た。すぐ起きる訳ではない。
結局寝れないまま起きる事になった。
起きてみたらうまい具合に9時であった。
さて。どこを片付けるか。
私は他人の目になって部屋を見渡してみた。
・・・ハズカシイ!!こんなのイヤ!!
では恥ずかしい順に片付けていこう。
まだまだ眠くて忌々しかったが観念した。
どこもかしこも汚かったが、まずはメインのガスコンロだ。
こんなの超超・汚いのだ。
まともにきれいにしていたら年が明けてしまう。
そこで私は、取り外せるものは全て取り外した。
どうせ色々くっついてても邪魔だろう。
後はトレーの部分だけ、ペーパークリーナーで拭きまくった。
昨日の朝から溜まっていた皿を洗う。
掃除機をかける。猫のトイレの砂が散りまくっていて、ぶー子のエクステの毛が猫の毛と共に抜けまくっていたのだ。
酒の空瓶・缶を片す。
床に散乱しているスーパーの袋と野菜を・・・ああ!!めんどくせえ!!
スーパーの袋と冷蔵庫に入りきらない野菜は、風呂場に移動させた。
すると・・・。
ピンポーン♪
ファック!!(忌々しそうに。)
電話してから来るんじゃなかったのか。
モニターを覗くと、女の人だった。セールスか?
私は直接顔を見てしまうと断れないので、ここに越してきてモニター付きのインターホンになりとても助かっている。
全て「そういったものは必要ないので、申し訳ありません。(←小心者なので恨みを買うのが怖くていつも謝ってしまう)」の一点張りでかわしている。
ところが今朝のこの人は、声が聞こえないのだ。
「すみません、良く聞こえないんですけどー。」
女の人だから声が小さいのかもしれない。
もう一度何かを一生懸命話している感じであったが、やはり聞き取れない。
何を言ってるのかわからないのだから、どう答えたらいいのかもわからない。
しょうがない、出るか・・・。
困った事になったと思いつつ出てみると、やはりセールスであった。ダスキンモップ。
「ダスキン、もうとってるんですよね・・・。」と言うと、
「えー、そうだったんですか、すみません・・・。」と低姿勢である。
それでも「ホントに同じ主婦の立場として、迷惑は承知で、あの、1ヶ月だけ、無料なので試していただけませんか?もう契約とかそういうのはどうでもいいですから・・・。」と言われてしまった。
あちゃー・・・。
これだから会ってしまうとダメなのだ。
本当に感じのいい、欲のなさそうな、思いやりのありそうな人なのだ。
もういいや、お試しだけならタダなのだ。
結局、1ヶ月のお試しをすることにしてしまった。
あぁ・・・。このままなしくずしに契約してしまうのだろうか。
掃除、再開だ。時間を無駄にしてしまった。金も無駄になりそうな予感だ。
次には実家の母から電話だ。
うちはあまり交流がないので、たまにつながりができると長くなる。
ますます時間が減った。
パロマ氏が来た頃には、「どうしようもない部屋」から「汚い部屋」ぐらいにはなっていた。
じゃ、ヨロシクです。
彼はしばらくカシャカシャやっていたが、そのうち流しの水が流れる音ばかりが聞こえるようになった。
ちゃんと見ていないからわからないが、どうやら私が親切心で外したように見せかけた部品たちを洗っていたようだ。実は必要だったのか。
こんな事になるとは思わなかったので、コテコテのギトギトだ。
風呂場に干してあるパンツを見られた方がマシだ。
そして彼は「トイレを借りる」という掟破りをした。
そんなイレギュラーな事態に備える余裕などある訳ない。
あの人のトイレに入る時の目線はどこなのだろう。
「ご教訓カレンダー」に釘付けになってくれればいいのだが。
「終りました。」
そう言ってお金と判をもらって彼は帰って行ったが、
コンロは見事に全ての部品がついて、すぐにでも使えるようになっていた。
ぐうたらするとはプライドを捨てることだ。
今日それを思い知ったのでした。