人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

メダカの飼育日記・52

メダカ稚魚、その後。

残ったのはプラケース2つ分の稚魚だった。

どちらも変わりなく育っていたので、それに甘えてズルズルと引っ越しは先延ばしになっていた。

引っ越し先は、リセットして新たに立ち上げたベランダ睡蓮鉢の予定だったのだが、とにかく暑くてそのリセット作業に取り掛かれないでいたのである。

ところがある日、プラケースのうちのひとつに変化があったのだ。

普段はほとんど顔を出さない稚魚が、たくさん水面まで上がってきているのである。

理由は分からないが、これまで安定していたところに起こった変化だ。悪い予感しかない。

怖くなり、過密を承知で、稼働中の睡蓮鉢に引っ越しさせたのだった。

 

残るは一つ。

しかしまた、同じ理由で引っ越しは延ばし延ばしになっていた。

さすがにこれではいかんとやっと睡蓮鉢を立ち上げたが、そこでまた残りのプラケース組が水面に上がるようになった。

立ち上げたばかりの睡蓮鉢は、まだまだ不安定だ。さりとてこのまま見殺しにはしたくはないので、仕方がない、今度はもうひとつの稼働睡蓮鉢の方へ引っ越しをした。こちらも過密だ。

どちらの睡蓮鉢も稚魚ばかりなので、当分大丈夫だとは思う。その間に新たに立ち上げた方を、何とか安定させたい。

 

最後のプラケースは、さすがに長期間置いておいたので、中は厚いコケと藻でジャングルのようになっていた。

引っ越しのために水を減らしてみると、1匹だけ底の方で動かないのがいる。

弱っているのか、かなり痩せていた。

この移動がこの子にとっていいのか悪いのか。

まるで抵抗するように、この子は最後までコケに潜って出ようとしなかったのだ。

このプラケースで最後を看取ってやるか迷ったが、環境の変化がいい方に作用することに賭ける。

 

 

朝になった。

「あ、エサやんなきゃ。」と体を起こして、もうその必要がないことに気付く。

一日数回のエサやりと足し水。

稚魚という繊細な生き物の世話は、思ったよりも大変だった。

それでも今回は、私の努力に報いてくれたようにたくさん巣立つことができたのだ。感無量である。

ちょっぴり寂しくなるが、少し自由になった気もする。

過密問題を残しつつ、さしあたって今シーズンはこれで卒業としたい。