人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子56歳。

呪い。

ンンっ、・・・グアッ!!!」はぁはぁ・・・・・・・。

 

苦しい。今、何時よ一体。喉・・・、というか口が痛い。口の中。カラッカラに渇いていることに気付くと、枕もとの炭酸を口に含んだ。

な、何??

鼻がパンパンに詰まっていた。どういうこと??

花粉症ではある。

しかし寝るまでそのような症状は全く出ていなかったし、これまでに夜中急に鼻が詰まるようなことは一度もなかった。

不快だ。

水を飲んでも潤い切れていないような舌触り。鼻から抜けていかない呼吸。眠りたいが、口を閉じると空気の行き場がない。

こんな時、横を向けば片方の鼻の穴に隙間ぐらいはできるものだ。横を向く。

口を閉じて鼻に圧をかけると、プヒ~と、か弱く音が鳴った。

この穴だけが頼りだ。昨日増やした眠剤の効果か、眠気はしっかりある。寝てしまえ。

 

「グァッ!!!」はぁはぁ・・・。

朝方までその繰り返しだったのだ。

窒息寸前の息苦しさ。

口渇の不快感。

何度も目覚めるストレス。

人並みに熟睡できないことへの怒り。

水を飲み過ぎたせいでトイレ。

最悪のひと晩だった。

朝はパジャマのまま起き、ダンナの朝ご飯と弁当だけ作ってまた布団に戻ってしまった。

鼻詰まりはもうなくなっていたが、なぜか「寝よう」と思うと遠のいていく睡魔。

誰かが私に、不眠の呪いをかけたのだ。もうそれ以外に合理的な原因を思いつかない。

諦めて体を起こす。フー、まるでひと試合終えた後みたいだ。

 

それにしても何だったんだ。あれは花粉症の症状だとは思えない。

ひとつ、いつもと違うことをしたといえば、寝る前の薬を増やしたことだ。

上手く眠れないので眠剤を飲んでいたが、これもちゃんと効かないので病院を変えようと思っていたのだ。

しかし最後にするつもりの診察で「毎晩何度も目が覚める」と強めに言ったら、別の薬を出してくれたのである。アメル。

これを併用せよとのことだったのだが、薬漬けになりたくないので、寝不足が続いて辛い時だけ飲むことにしたのだ。

一錠を半分に割って飲んだが、全く効かなかった。

そして昨日は一錠にして飲んだのだが、まさか眠剤で鼻が詰まることはあるのか?

 

あった(笑)

調べてみるとこの薬は、鼻が詰まってかえって不眠になるケースがあるらしい。

飲んだのは、まだほんの2錠だ。それでこの薬はもうダメ認定である。

残りの薬が無駄になったことにも、私の希望が断たれたことにも、ガックリだ。

念のためもう1回ぐらい試してみるが、窒息だ、あの晩をまた繰り返すと思うと気が進まない。

でももしかして、本当にたまたまあの晩、あの部屋の花粉が私の鼻に悪さした可能性があるとしたら、あの薬のせいではないことになる。そしてあの薬の純粋な効果を感じることができるかもしれないのである。

とにかく私は、朝まで熟睡したい。毎日とは言わない。言ってないのに。

 

ということで、今夜はちょっとお酒の力を借りてもいいんじゃないか、と迷うところである。