<感想>
とにかく素晴らしかった。
グラフィック、世界観、ストーリー。
そして主人公の猫を非常にリアルに再現したこと。フィクションとして言葉を喋らせたり表情を作ったりということをしなかったところがいい。動きやしぐさの「猫あるある」に、猫好きとしてはムラムラしっぱなしである。
人間の言葉を喋らない動物とロボットの交流には純粋なものしかなく、退廃した町の様子とは裏腹に心温まるものがあった。
最後、恐らく猫はもと居た世界に戻れたのだと思うが、あえて仲間との再会のシーンまで作らなかったあたりが、別れを胸にたどり着いた猫の切ない気持ちのままで良かったように思う。
印象的なラストシーンだった。
ゲームのボリュームとしては、小さい。私のクリアタイムは、約11時間。一日1時間やるかやらないかで、1ヶ月かからない程度だ。
しかしこのサイズ感が、詰め込み過ぎず良かったように思う。
その代わりに、続編がやりたい(笑)
システムもシンプルで良かったが、たったひとつ、アクション部分だけが昭和レベルで残念だった。
特に酷いのは対ZURKで、何度も失敗しながらルートを確立しなければならないのは非常にストレスであった。
武器も起動まで時間がかかったりすぐ壊れたりで、全然使い物にならなかった。
ただそういったアクション部分が占める割合が低かったのが、大きな救いだ。
また敵も、ZURKから見張り兵へと変化したので、助かった。
昭和初期の日本のような昔の香港のような世界観は魅力的で、「千と千尋の神隠し」に共通するものがある。
帰らなくてはならないが、帰りたくない気持ちも混在しているような。
プレイヤーとしても、離れがたいものが残った。
だからもうちょっとトロコンでも狙ってとどまろうというところなのだ(笑)
開発のスタッフみなさま。
どうか続編をお願いします。