今週のお題「人生変わった瞬間」
2009年。私達は相変わらず酔っ払っていた。
駅前でしこたま飲み、酔った勢いで気になるお店に突入してしまったのだ。
比較的新しい、ミュージックバー。
もう私達夫婦はバンド活動など全くしていなかったが、どこか心の中でくすぶっていたのだろう。「POPROCK」などという名前のそのお店に、引き寄せられてしまった。
当時まだ開店してから1年ほどだったPOPROCKは、空いていた。
小さなステージがあり、すぐにバンド形態で演奏できるようになっている。
あの夜のことは良く覚えていないが、2018年いっぱいで閉店するまで通い続ける始まりとなった日だ。楽しかったことは間違いない。
ここで私達は多くの音楽仲間と出会い、バンド活動を再開することとなった。当時41歳。まさかの再開だ。
結果的に、むしろこの再開からが、本当のバンド生活となったのだった。
始めの頃こそ、数ヶ月に一度程度のライブがあるぐらいだったが、全盛期にはいくつも掛け持ちして、毎週のようにライブとリハに明け暮れた。
思い返せば、何もしない人生だった。
努力を嫌い、積極的に動く気力はなく、ほどほど楽しければいい。
子育て、パート勤務、家事と週末のお出掛け、大好きなお酒とゲーム。
これで私の一生は終わるはずだった。
今YouTubeには、仲間達のお陰でたくさんの動画が残されている。
それを私は「恥動画」などと呼んでいるが、本当は私の誇りだ。
何も残さず終わるはずだった私の、努力の形。
POPROCK無き後も残る、仲間達との絆。
あの日あの時あの扉を開けていなかったら、私は相変わらずただ飲んで、ゲームだけを友として一生を終えたかもしれない。
学生の頃、夢見たバンド活動。
一緒にやれるような仲間はいなくて、いつも心の中で私は空想していた。
あの曲をやりたい。
それをことごとく叶えてくれたPOPROCK、仲間達、そしてあの日あの扉を開けた自分達に、
ありがとう。
あ、動画は誇りだけど、恥動画であることにも違いはないです(笑)観るのは酔ってる時に限る。