人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子56歳。

日曜日の勝負

一度は誘惑に流されそうになったとはいえ、結果的に深酒を免れた土曜日であった。日曜の朝は清々しく。

「今日は飲まないよ。」

朝一番で、宣言する。

飲む理由がないからね。

天気がいいからとか、昨日ちゃんと飲んでないからとか、そういうのは理由にならないのだ。昨日から。私は生まれ変わったのである。

兄の引っ越しであった。

もうほとんどの荷物は運び終わっている。

しかし音楽家の兄が「楽器だけは自分で運びたい」と言うので、アコーディオンとキーボード、ディジリドゥなどが残されていたのだ。

ところが腰をやらかしてしまい、私達夫婦が手伝いに行くことになったのである。

取り壊しになるというマンションはすでにもうがらんどうで、生活臭はなくなっていた。

兄夫婦の部屋は4階。エレベーターがないので往復することになる。

人海戦術にて数回の往復で済んだのだ。力になれたのは嬉しい。

しかしあのアコーディオン。

あれは肩からさげて弾く楽器である。それがあの重さとはどういうことか。激重であった。

あれに比べればキーボードなど、紙である。

新居は、江古田。

ここでランチを食べたが、いい町である。美味しそうなお店がいっぱい。学生向けなのかそんなに高くもなく、洒落た店、素朴な店、と多彩だ。

ランチに入った店も良く、私達も通いたいぐらいである。

「じゃあ。」と別れたのは3時半頃か。

実は、荷物を運んでいる時に一瞬よぎったことがあった。

すぐにかき消したがそれは、強く印象に残ったのだ。

それが傷跡のように、うずく。

家に帰り、犬の散歩を済ませたダンナは、改めて私に向き直り、問うた。

「で、どうする?」

うずいていた傷跡がえぐられる。

「そりゃ、明日仕事がある人に従いますよ、私は。」

「俺に決定打を踏ませようと。」

実は、バンド仲間からお誘いが来ていたのだ。

ダンナは翌日早番なので、私が禁酒するまでもなくダンナが断ると思っていた。

しかしこの展開。ダンナは私に決定打を踏ませようとしている(笑)

「私はね、無駄酒をやめるとは言った。でも、人付き合いは無駄酒とは違うし、疲れて一杯やりたいところを我慢するのもまた違うと思ってるよ。」

飲むんかい(笑)

ということで、友人夫妻と飲む。

朝になり、2軒目でダンナと「You spin me round」に合わせて阿呆のように踊り狂っている動画が送られてきた。

負けた。

日曜日、私は酒に負けたのである・・・・・・・。