人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

アナログババア

兄と某ファミレスに入った時のことである。

食事時ではなかったので私はスイーツを、兄は小腹が減ったと言ってうどんを頼むことにした。

迷わず呼び出しボタンで店員を呼んだが、「そちらのタッチパネルからご注文下さい。」と言われる。目と口をかっ開いて見つめ合う兄妹。

「そ、そうか、そうだよね、そのためにこれが・・・。」タッチパネルを引き寄せる。ちなみにメニューは、従来の紙メニューの方を見た。

「うどん、うどん、と・・・、これか。」注文。

「白玉あずき、白玉あずき、注文。あれ?」

「?」

「うどん入ってなくない?」

「え?さっき入れたよ。」

「でもなくない?」

「いや、絶対に入れた。」

「うん、私も見た。どこに行ったんだ?」

うどんが消えているので、また入れることにした。数は大丈夫なんだろうか。

「うどんうどん・・・、注文。なんで入らなかったんだろう?」

「入らない。」

「うどんが入らない。」

『確定』を押していなかった(笑)

こんな年寄りじみた事態が起こる日が来るとは。

考えてみれば、ATMも使いこなす自信はないし、バス料金のパスモ残高が足りなくなることを考えると震える。

DVDの予約はおろか、再生もできない。買い物の清算もこの頃は機械任せになってきており、店によって微妙な違いがあるのも戸惑う。

GUのセルフレジには感動したが、自分でやれと言われたらできる自信がない。

「オレはもう、そういうのは無理だから」と言ってスマホに変えない父と、大差はないんじゃないか。少なくとも、同じ道を辿っている。

辛うじて「できる」と言えるのはパソコン操作、しかしこれもブログ投稿と検索ぐらいのもので、得意なゲームにしても、その機能を十分に活用しているとは言い難い。

このままでは、まずい。

私はもっと、ひとりで色々やってみることにする。

両替も、スマホ決済も、エッジのダウンロードも、自分でやたらとやることにする。

仮に余計に面倒なことになるとしても、やらないよりはやった方がいいはずである。何しろ現状では無知なのだ。

父にも、もう少し頑張っていただこう。助けることが必ずしもいいとは限らないようである。