人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

3度目の命日

母の命日であった。

危うく忘れるところだったのだ。ダンナに言われて思い出したのである。3年という月日は、そういうものなのだ。

時計を見ながら、3年前のこの時間にはどうなっていたのかを、なぞる。

まだ生きていた。

兄から連絡があった。

車で向かった。

手を握った。

空を舞う、名も知れぬ花の綿毛。

霊安室。

病院の裏口で葬儀屋を待った。

一番星。

母を置いて、家路についた。

そんなことも、やがて忘れてしまうのだろうか。

命日。

故人を忘れないための日だ。

今年も庭のバラを飾り、母が好きだったビールを供え、夜を過ごそうと思う。