まぁもうそろそろ時効だから、ネタにしても良かろう。
その週末も、私達夫婦は駅前の繁華街で飲んでいた。
そろそろシメでも食べに行くかと、酒も飲めるラーメン屋さんに入店。
カウンターに着くと、まずは一杯。ウーロンハイなど注文して、なにかつまみでも・・・、と壁のメニューを見まわしていたら・・・。
「あ!?」
向こうもこっちも、飛び上がらんばかりに驚いた。
カウンターの隣には、娘ぶー子のパートナーが顔を赤くしてひとりで飲んでいたのである。
時間はもう0時を回る頃だっただろうか。BBちゃんは、仕事帰りのようだ。
「すっ、すみません、すみませんがどうかぶーちゃんには内緒でEE:AE5B1EE:AE5B1」バツが悪いようで、相当焦っている。
別に何も後ろめたいことはないと思うが。小さな息抜きが微笑ましいぐらいである。
まぁ知らずに待ってるぶー子にゃちょっと気の毒だが、この当時はBBちゃんに養って貰っていたのだ。これぐらいの自由はあっていいだろう。
いや、隠しているんだから自由とは言わないのか??
じゃあ何で隠さなきゃならないんだ??
待ってるぶー子が気の毒だからか??
だから、そのぐらいの自由はあってもいい訳で。
何だか訳が分からなくなってきたが、日本の夫婦の分かりやすい縮図である。
どちらかというと物静かで受け身なイメージのあるBBちゃんだったが、もう結構飲んだのか、隣の年配のカップルとすっかり意気投合して一緒に飲んでいたのだ。それがまた可笑しい。
テーブル席が空いたので、今度は私達と一緒に飲むことにする。
酒は人を饒舌にし、会話は人との距離を縮めていく。
これまでどこかぶー子経由であったコミュニケーションも、補助輪を無くした自転車のように最初はぎこちないながらも、だんだんしっかりと走るようになる。
BBちゃんは「飲んでください」と気前よく焼酎のボトル一升瓶をキープ、最後はどうやって帰ったか思い出せないほど飲んで帰って来たのであった。
ぶー子には、呆気なくバレた。
翌日になってBBちゃんは、自転車をどこに置いて来たのか分からない事態に陥っていた。
そこでダンナにラインが来たのだが、ぶー子の見てる前でラインをした上に、「パパが駐輪場じゃないかって言ってる」などと言ったようである(笑)
当然「なんでおとんが出て来る?」となる訳で、あえなく御用と。
ぶー子は少々腹を立てていた。
隠れて「飲んで」いたことにではなく、「隠した」ことにである。
「自分の親と一緒に飲んで、嬉しくても怒ったりしないのに。」
隠す夫と隠される妻の攻防戦。
ここにも日本の夫婦の縮図あり。