人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日

227日!?

2週間ぐらいだと思ってた、こりゃ長いね・・・。

          

   監督:アン・リー

   キャスト:イルファーン・カーン、レイフ・スポール

インドで動物園を経営する父のもとで育った、パイ。

感受性の豊かな彼は、様々な宗教に出会い、そのどれにも深い感銘を受け、キリスト教、ヒンズー教、イスラム教の3つの宗教の信者となっていた。

恵まれた環境の中で暮らしていたが、ある日カナダに移住すると父に聞かされる。

動物は、カナダに売却する。そのお金で船のチケットを買った。

動物たちも、一緒に船に乗る。

ところが船は、嵐で難破してしまうのだ。

救命ボートに乗れたのは、パイただひとり。

そこへ、トラが流されてくるのである。

獰猛な野生動物だ。共存はできない。飢えてくれば、真っ先にパイが狙われるだろう。

パイはボートの板を利用していかだを作り、ボートに繋げて自分の場所を確保した。

それでも、泳ぎが得意なトラからは逃げ切ることはできないだろう。

パイはトラが飢えないよう、常にエサを確保しなくてはならなかった。

魚を釣り、干して保存し、雨が降れば水を溜める。

こんな生活が定着しつつあった。

メキシコに流れ着くのは、227日後である。

トラは、ジャングルへ消えていった・・・。

これは、単なる漂流記ではない。

それなら、カナダ人の小説家に話して聞かせる形を取る必要がないのである。

なぜパイは、小説家にこの話を語ったのか。

話には続きがあった。

この事故に対して、保険が適応されることになる。

そこで保険屋にこの漂流の件を話すのだが、彼らは信じない。

仕方がなくパイは、登場する動物を人物に置き換え、それらしい話を作って聞かせたのだ。

脚の折れたシマウマは乗客のひとり。

ハイエナはコック。

気の弱いチンパンジーはパイの母親。

そしてライオンは、自分。

ここで私達はハッとする。

「どっちが事実なのか?」

話を聞いた小説家は、自信を無くして夢を諦めかけているところであった。

このパイの「物語」が、小説家を救うのかもしれない。

ぽ子のオススメ度 ★★★★☆

ダンナのオススメ度 ★★★☆☆