227日!?
2週間ぐらいだと思ってた、こりゃ長いね・・・。
監督:アン・リー
キャスト:イルファーン・カーン、レイフ・スポール
インドで動物園を経営する父のもとで育った、パイ。
感受性の豊かな彼は、様々な宗教に出会い、そのどれにも深い感銘を受け、キリスト教、ヒンズー教、イスラム教の3つの宗教の信者となっていた。
恵まれた環境の中で暮らしていたが、ある日カナダに移住すると父に聞かされる。
動物は、カナダに売却する。そのお金で船のチケットを買った。
動物たちも、一緒に船に乗る。
ところが船は、嵐で難破してしまうのだ。
救命ボートに乗れたのは、パイただひとり。
そこへ、トラが流されてくるのである。
獰猛な野生動物だ。共存はできない。飢えてくれば、真っ先にパイが狙われるだろう。
パイはボートの板を利用していかだを作り、ボートに繋げて自分の場所を確保した。
それでも、泳ぎが得意なトラからは逃げ切ることはできないだろう。
パイはトラが飢えないよう、常にエサを確保しなくてはならなかった。
魚を釣り、干して保存し、雨が降れば水を溜める。
こんな生活が定着しつつあった。
メキシコに流れ着くのは、227日後である。
トラは、ジャングルへ消えていった・・・。
これは、単なる漂流記ではない。
それなら、カナダ人の小説家に話して聞かせる形を取る必要がないのである。
なぜパイは、小説家にこの話を語ったのか。
話には続きがあった。
この事故に対して、保険が適応されることになる。
そこで保険屋にこの漂流の件を話すのだが、彼らは信じない。
仕方がなくパイは、登場する動物を人物に置き換え、それらしい話を作って聞かせたのだ。
脚の折れたシマウマは乗客のひとり。
ハイエナはコック。
気の弱いチンパンジーはパイの母親。
そしてライオンは、自分。
ここで私達はハッとする。
「どっちが事実なのか?」
話を聞いた小説家は、自信を無くして夢を諦めかけているところであった。
このパイの「物語」が、小説家を救うのかもしれない。
ぽ子のオススメ度 ★★★★☆
ダンナのオススメ度 ★★★☆☆