この鍋についての話は、1年ほど前にした。
結婚当初に買ったと思われるポンコツ鍋だ。
まぁポンコツはいいんだが、フタの取っ手が取れて小さくなっているのが唯一不便なところであった。
それでも結局その後も使い続けていたのだ。
やはり、捨てるには決め手に欠ける。
ところがついに、トドメが刺されたのだ。こうなってはもう捨てるよりあるまい。
あれは、正月用の角煮の下茹でをしていた時のことだ。
下茹での済んだ肉は、本格的に煮込むために別の鍋に移した。
で、ドケチな私にはこの下茹でした煮汁が惜しい。
ダシが出てるじゃないかEE:AEB64これはスープにしよう。
そのまま冷ましておいたのだが、いざそれをタッパーに移してしまおうと思ったら、スープが減っているのである。
いや、最初からこんなもんだったっけ??
違う。
コンロが水浸しだ。鍋に穴が開いたらしい。
ここまで生き延びた鍋の最後は、「穴」であった。
30年近く火力に耐えてきて、ついに穴が開いてしまったのである。穴。
一応、代わりの鍋はすでに買ってあった。
しかし新しいそれは何かが違い、どうしても慣れ親しんだコレを使ってしまっていた。
こんなになっても新品を使わなかったのだ。よほど使い勝手が良かったのだろう。意識していなかったが。
なので今、結構不便している。
近いうちにこれに似た鍋を買うことになるだろう。恐らくまた、安い何の変哲もないやつだ。
そして穴があくまで使い続けるだろう。