人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

ベートーベンの意図

EE:AEB58EE:AEB58EE:AEB58今回もピアノの話の続きであります。ますますややこしくなってきますが、貴重な話だったので書き残しておきたく。興味のない方は、最後の「興味ねーよ」をクリック!EE:AEB58EE:AEB58EE:AEB58

 

 

こんな事を公開するつもりは全くなかった。知っている人が聞けば、身の程知らずに呆れるはずである。

なのでもう一度ハッキリ言っておくが、私がこの曲を選んだのは、もちろん好きだからもあるが、「筋トレ」としてである。まともに弾けるなどとは、露ほども思っていない。

 

ベートーベン、月光、第3楽章。

少しずつ、少しずつ、何度も何度も何度も繰り返し弾いている。

弾けないものは弾けないが、目的は筋力UPだ。

何だか少しずつ強くなっていくような気がして、これが止められない。

休むと元に戻ってしまいそうで、怖い。

こうして毎日、ストイックに弾き込んでいた。

 

ところが、指導してくれる人がいないのだ。

間違っていても指摘してくれる人はいないし、私の疑問に答えてくれる人もいない。

だんだん「これでいいんだろうか」という気持ちになり、いくつかあった疑問を、「もっきゅん」に聞いてみることにしたのだった。

 

「もっきゅん」は、以前合唱団で指揮・指導をしてくれていた人である。

塾の講師もしていて、説明も話もとても上手い。何より、熱意がある。

きっと求めたもの以上の答えが返って来ることだろう。

 

そして実際、その通りであった。

 

私の疑問は、指使いとペダルは楽譜通りに弾くべきなのか、というところであった。

まずペダルについては、必ずしもそうではないが、ベートーベンはちゃんとそうするべきと考えてペダルを入れているから、ベートーベンに関しては楽譜に忠実な方がいいだろうとのことであった。

弾き手の都合でペダルを入れたいなら、「半押し」という技もあるらしい(笑)

何しろ、デロンデロンにならないように加減しろとのこと。

 

「ベートーベンについては」という答えにも驚いたが、指使いにあたっては、もっと驚くべき答えであった。

「まぁ他にもっと色々弾こうと思ってないなら好きに弾いていいと思うけど」と前置きして、「ベートーベンやバッハみたいに古い時代は、4とか5の指は弱い前提で指使いを配置している」とのことである。

例えばこの曲の弾き始めの右手の3つ目の音は、譜面上では4になっているが、指の位置的には3の方が弾きやすいので私は3で弾いていた。

しかし4の指より強い3で弾いてしまうと、次の5が強くなってしまうとか。そうしたくないための、あえての4なのだと。

そんなことまで考えてたんかいベートーベンよ。

そもそもその通りに弾いて私がベートーベンの意図に添えるとも思えんが、色んな曲を弾いていきたいなら、そして筋トレとして弾きたいなら、指使いは守った方がいいとのことであった。

弾きやすいように弾いてましたEE:AEB64こりゃ1回戻ってやり直しだわEE:AEB64EE:AEB64

 

他に、この曲を弾くにあたって。

大事なのは速弾きの右手よりも、むしろ左手とのこと。

確かに両手のリズムをキッチリ合わせるのはとても難しい。特に、どうしても右手に気が行ってしまうので、左手のリズムキープは本当に難しい。

メトロノームに合わせて、左手だけでもちゃんと弾けるようにした方がいいと言われたが、実は私は片手ずつ練習するのはあまり好きではなかった。

後で逆の手が入った時の負担感がハンパないからである(笑)

ところがもっきゅん曰く、両手を別々で練習することで、耳は「2つの別のパート」と聞き分け、手は「2つの別のパート」を合わせられるようになってくるとのことであった。

 

それから、序盤の左手のスタッカート。

何だかへんちくりんなスタッカートの記号だと思っていたが、これは「鋭く」などという意味が含まれていること。

しかし強さは「p」と、矛盾している。

「小さくツンツン弾けばいいの?」と聞くと、それも違う。

曲を聴けばわかると思うが、これは単なる「p」ではない。大きな情熱をこらえるように秘めた「p」だ。

まずは大きな音でいいから鋭く弾くように、それができるようになったら、それを抑えるように弾く、と。

 

 

以上、もっきゅんのアドバイスであった。

これはまだほんの序盤のところだけの話だ。

それでもこれだけのものが、あの曲の序盤に詰まっているのである。

それにも驚いたが、もっきゅんがこれをスラスラと言えることにも驚いた。

 

というか、この曲、私にはまだまだ早過ぎのようなEE:AEB64

筋トレと思っていたが、筋トレじゃ済まんよこれEE:AE5B1

 

何事も、やっぱり先生がいるのといないのとでは、大違いだ。

独学の道のりは、ひたすら遠回りであることを実感した。

 

 

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