人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

良薬の合法性

平日飲まないようになってから、これで3週目に入るぐらいだろうか。

週末にアホほど飲み、週明けに二日酔い。

火曜日まで何となく具合の悪さを引きずり、やっと元気を取り戻す水曜日が「魔の水曜日」であった。

「週の真ん中」という配置の良さも手伝い、この誘惑に抗うのは至難の業だ。

強い意志を持って、夜までは耐える。

ところが「夜」というシチュエーションが酒を連想させ、ますます耐え難くなってくる。

ここで飲むと、振り出しに戻る、である。翌日は木曜日なのに、まるで月曜の如き重い朝が待っている。

そして何となくボーッとしたまま金曜日を過ごし、夜になると「週末」という理由で飲んでいる。

こうなると、フレッシュなのは実質、水曜日・夜までだけということになる。

まぁ火曜、金曜もいくらかいいが、水曜日に飲まなければ後半は「もっといい」はずなのである。

平日は飲まないようにしよう、と何度目かの決心をし、やっと3週目に入った。

最初は辛かったが、慣れるもので、ずいぶん楽になった。

過剰なカロリー摂取、無駄遣いを抑え、貴重な時間をドブに捨てずに済んだと思うと、感無量だ。

アル中が勝ち取ったご褒美と言ってもいいだろう。

アル中。

これは大げさだとしても、アルコールへの依存は否めない。

ひとたび「飲みたい」と思った時のあの衝動的な誘惑。

どんなに固く決意しても、冗談のように魔チてしまうのである。

私はいつも本気だった。

そしてこれは、「放棄した」のではなく「延期しただけ」である、と真剣な言い訳をする。

酒は魔物だ。

うまく付き合わないと、破滅へと突き進むことになるだろう。

そこでふと思ったが、なぜ酒は合法なのだろうか。

飲み過ぎれば頭がおかしくなる、体を壊す、依存性がある、麻薬と変わらないじゃないか。

先日、一人の休日が暇だったので、二日酔いながら迎え酒をしたことがあった。

体が拒絶していることが、良く分かる。

飲みたくなんかない。

それでも、これさえ乗り越えれば、天国が待っていることを私は良く分かっているのだ。

美味しくなんかない。

金曜日のひと口目のような高揚感もない。

無理矢理、と言っても差し支えない。

「良薬口に苦し」だ(笑)

実際、エイッと顔をしかめて口に流し込み、コップの半分も飲めば世界は変わる。

何なんだろう、この気持ちは。

フワフワと漂う幸せな気持ち。

何でもできそうな予感。

何を見ても、それは楽しみへの可能性を秘めている。

まるでドラッグじゃないか。どこが違うのか?

いや、取り締まられるようになったら困るが、不思議だなぁと思ったのだ。

せいぜい人の迷惑にならんように、上手に付き合っていきたいと思う。

念のため、肝機能は正常値である。