人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子56歳。

深夜2時の神隠し

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「はいは~い、あらあらイイ子ちゃんね~EE:AE595どったのかちらEE:AE483え~う~、あぁカワイイッEE:AEB30

てめーん家の飼い猫にこの有様のバカ親(親なのである)だ。

恐ろしい事に、ダンナも全く同じ口調で猫可愛がりをしている。会社の人に見せてやりたい(笑)

こんな調子なので当のエルの方も、かなり人間に依存している。

ここまで来ると「分離不安」という過剰な依存になっているようなのだが、もう私達のほうが子離れ(子なのである)できないのだ。一生共依存でいく覚悟である。

そんなんでどこへでもついてくるエルだ。

一人で猫社会に置き去りにされるのを恐れており、人が移動する気配にとても敏感だ。

エルとしては、2階の寝室にママ(ママなのである)とふたりで閉じこもっていたい。

なので、夜寝る時間にはことさら「人間移動センサー」が過敏になるのだ。

私は寝る前に薬を飲むので、寝室に氷水を持って行く。

その製氷室からガシャガシャという氷を砕く音が、エルへの合図になっている。

どこにいてもすっ飛んで来る。こちらから探す必要はない。

ところでこの水は、エルも寝室で飲むのだ。これも儀式化している。

ベッドサイドの小皿に氷ごと入れてあげると、時間をかけてそれを飲むのだ。

氷を入れるのは、私のアイデア(アイデアなのである)だ。きっとエルも氷水が飲みたいに違いない、という親心なのである(笑)

そして一緒に布団に入って寝るのだが、この頃はずいぶん暖かくなってきたので、布団に入らなくなってしまったのだ。

それでもたいてい布団の上(まだ毛布と羽毛布団とを肩までかけて寝ている親なのである)にその気配を感じることができたので、一緒に寝ているという感覚であった。

昨日もいつものように水を飲み、私は薬を飲み、スマホをいじりながら睡魔の訪れを待っていた。

どれぐらい時間が経っただろうか、そろそろ本格的に眠くなってきたので電気を消そうと思う。その前に、エルの確認。布団の上。あれ?

いない。

まぁ珍しいことではない。

時には窓から外を見ているし、暑いと感じれば床の上で寝ていることもある。

まず私はベッドの中からぐるりと部屋を見渡したが、見つからない。

せっかく眠くなったのにしょうがないなぁ、と仕方なく立ち上がる。

部屋のどこかにいるのだろうからそのまま寝てもいいのだろうが、万が一、ということもある。

どこかに引っかかって気を失っていた、なんて想像をしてしまうのが親なのだ。娘ぶー子もどこかで死んじゃうんじゃないかと、何度気を揉んだことか。

カーテンをめくって窓際を探す。あれ?いない。

キャットタワーについている箱状の部屋を覗き込む。いない。

この2ヶ所が怪しいのだが、ここにいないとなると緊急事態発生だ。

「えるっEE:AEB30」何度も呼びかけてみる。返事はない。

あちこちめくったりどかしたり(散らかっているのである)してみるも、エルはどこにも見つからない。

おかしい。この部屋にいるはずなのだが。神隠し??突飛な想像をするのも、親馬鹿の証だ。しかしいないのだから、神隠しじゃないか。神隠しに違いない。

ダンナを起こしにいこうか。

しかしこのような時、あっけなくダンナが見つけてしまうのがいつものパターンだ。またあの屈辱を味わうのか。これだけ限られた条件下で見つけられないなんて、恥である。

私は深夜2時、愛娘の(娘なのである)名前を連呼し、寝室をウロついて回った。

本当にどうしたことか。

「えう・・・。」やがてもう探す場所も尽き、ベッドに座り込む。こんな緊迫している状態でも(緊迫しているのである)、「エル」という名を「えう」などと呼んでいるバカ親であった。

しかしどうする。最終的にはダンナを呼ばなくてはなるまい。もうその段階に入ったのだろうか。

私はダンナがこの部屋を捜索する場面を思い浮かべる。

見つかるに違いない。

とても簡単に見つかるか、思いもよらない不幸な形で見つかるかのどちらかだろう。

落ち着け、ダンナならどこを探す?

そこで気づいたのだが、私は同じ場所を繰り返し探し回っただけであった(笑)

いなかった場所にいる訳はないのである。

でももう他にどこを探せば・・・。

エルは、洋服のたくさんかかったハンガーかけの中ほどで寝ていた。服がたくさんぶら下がっているので、見えなかったのである。

ちぃっ、ニアミスだぜ、「中ほど」じゃなくて「奥の方」は探したのに。

まぁ見つかって良かった。

しかし、呼んだら返事ぐらいしてよねもーEE:AE4E5爆睡してるとか、どんだけよEE:AE4E6

親の心、子知らず。

猫も然り。