このところあまりにも忙しかったので、手帳の記入はしないでとにかくやらなくてはならない事をやっていた。
それが意外と快適で、これまで時間に追われてストレスになっていたことを知る。
しかし、このままでは手帳ライフが終わる。
私はそんなに強い人間ではない。
忙しさが去れば真っ白のスケジュールに甘え、堕落していくことだろう。
昨日久しぶりに手帳に予定を記入した。
午前中の運びが良かったので30分ほど時間ができたのだ。
おっ、ちょうどいい、ゲームもしたいが草むしりでもしておこう。
庭というものも私の堕落を計るバロメーターになっている。
もうすでにあちこちに緑の雑草が侵食し始めていた。
次に思い出すのはいつになるか分からない。やってしまおう。
ところがこの雑草たち、可愛い花を咲かせるのだ。ただし、数が尋常じゃない。
迷う。
やはり可愛い花でも、雑草が尋常じゃなく生えていたら、よろしくないだろうか。
よろしくなってくれれば私も楽でいいのだが。
保留。
まずこっちを片付けてしまおう。これは迷いはない。
何だか分からないが、ツタ系の雑草だ。
これは去年、あえて生えたいだけ生やしておいたものだ。
ラティスに絡ませて「ガーデニング」などと密かに呼んだりしたが、どんどん伸びて、木にも乗り移ったのだ。
これも気にせず、ガーデニングだ。
やがて赤い実をつけ、それを小鳥がついばみにきたりして、ますます私はゴキゲンになった。
ところが冬が来て寒くなると、これらはカラッカラに茶色く干からびてしまった。
それもまだ良かった。
しかしこれが風に吹かれて飛び散って、隣の駐車場に落ちるようになってしまったのだ。
慌ててパリパリの茎ごと引っこ抜いていったのだが、これがまた春になって、緑の葉をつけ始めたのである。
パリパリの茎から生えてきたので驚いた。すごい生命力である。
良く見ると新しい葉は、あちこちに生えていた。
地上に這っていた茎は冬のうちに取っ払ってあったが、主に地面に這っている茎からであった。
芝に隠れて見えなかったが、茶色い茎がナスカの地上絵のように、縦横無尽に伸びているではないか。
フンッ、と適当なところから引っ張ると、ブチブチブチッといって1メートルほど飛び出してくる。
その繰り返しだ。
すごい数である。いつのまにこんなに侵食されていたのか。あわや家ごとやられるところだったのではないか。まるでホラーである。
ブチブチブチッ。
ブチブチブチッ。
しかしこのようにメリメリと抜けていくのは面白い。
やがてそれは、何ヶ所かに行き先が絞られてきた。
どうやらところどころターミナルのようになっていて、そこから何本も枝分かれしているようである。
たどっていくと、ターミナルはどんどんと大きくなっていく。引っこ抜くのにも力が必要になり、しまいには立ち上がって両手で踏ん張って抜いた。
それでも終わりは見えない。
以前カタバミでも苦労したが(あんなんでも抜いた甲斐があったようで、今ではずいぶん減ったのだ)、これは力がいるだけやっかいだぞ。
タコ糸ほどだった茎も、もはや1センチほどの「棒」である。
なにくそ、負けるものか。これを放置すれば恐らく、エンドレスウォーになる。
フンムッEE:AE4E5
メリメリメリッとその根(もうすっかり地中深くに潜っている)が引っ張り出され、止まった。
まだまだ続いているが、根はいよいよ太くなり、より深く潜っている。
しかし問題はそこではなかった。
その根の続いている場所は、昔亡くした子猫の墓の下であった・・・。
負けた。
ここでバカ力を出して、子猫のいたいけな骨が出てきてしまうのは耐えられない。
野郎、卑怯な手を使いやがって。
それにしても太い根(旧・茎)である。
結局抜ききれなかったので、子猫の墓からまるでごぼうでも飛び出したような状態になっている。
恐るべしツタ雑草。
やはり雑草は、躊躇せずに抜くべきなのかもしれない。