ぐぁあああああああああああああああッッッ!!!!
・・・と雄叫びを上げて、暴れ出したかった。
紙をビリビリに破くとか、頭をガンガン壁にぶつけるとか、破壊的なことがしたい。
鉄格子持って叫びたい。
自分で言うのも何だが、最近はストレスを溜めないようにすることが上手くなったと思う。
技術ではない。バカになったのだ。
感知しない。流す。それに尽きる。
次に私は、冷蔵庫に向かった。
「ヤケ食い」という行為は確かに存在する。
しかしこの燃え上がるような食欲と反比例するように、冷蔵庫には何も入っていなかった。
厳密に言うと「すぐに食べられるもの」という事になるが。
この状態で、調理なんかするかEE:AE4E5今すぐそこの丼、の中身、持って来い!!片っ端から食ってやる。
だが現実には、ひき肉ときゅうりともやししかない。
きゅうりが食えるってか。この状態できゅうりが食えるか!!あんた、怒り狂った人間がきゅうり食べてるところを見たことがあるか!!
感知しなければ問題ない物事を感知してしまった場合、私はこのように非常に不安定になる。
私は決してストレスに強いのではない。弱いから逃げる方法を見つけただけである。
しかしそれは、向こうの方からやってきた。もう逃げられない。
さ、酒を・・・。
この件については、昨日すでに伏線が張られていた。なので昨日のうちに私は、酒との対決を済ませていたのだ。
今日は金曜日である。この大切な飲酒デーを、木曜日のヤケ酒で台無しにしたくない。
意味のわからない方に解説すると、二日酔いで金曜の酒がまずくなる、ということだ。
だから私は耐えたのである。
それを、あと半日だというのに、ここで無駄にしたくはない。
私はストレスの根源と飲酒の誘惑との2つの戦いを強いられる結果になって、ますます混乱した。あ、食欲との戦いもあるから3つか。
とにかく、ひどい状態だったのである。
そしてわたしは、実際に何かを破壊することを考えた。
破壊といっても、分解とは違う。派手にやらないと意味がないのである。
しかし意味といえば、家にあるものはみんな意味があってここにあるのだ。破壊どころか分解すらされていいものはない。
あああああああEE:AE4E5何とかならんものか。
サンタイザベル・ぽ子、大人になりました。
私はこのストレスを、走って消化することにしたのだ。
このメチャクチャにしたい衝動を、自分に向けたのである。見習え、青少年。
ジョギングウエアに着替え、準備運動もそこそこに、私はいつもより早く外に走り出した。
限界まで走ってやる。帰れなくなるぐらい、遠くまで行ってやる。いっそもう、帰れなくなってしまえばいいのに(泣)
ところでこれまで走った最高距離は、10キロである。だから少なくともこの距離は超えたかった。15とか20とかいう数字を叩き出したら、ちょっとは気が晴れるかもしれない。
はっしっれっ、はっしっれっ。
楽な運動ではない。走っていると、難しいことは考えられなくなる。
はっしっるっ、はっしっるっ。
やがて無に近い状態になる。
不思議なもので、最初のうちはキツいのだが、ある線を越えると走るのが楽になってくるのだ。
いくらでも走れるぞ。いくらでも走ってやる。
コースはいつも、適当だ。
極力信号で止まらないようにして、キツくなってきたら折り返す。
しかし今日はなかなか折り返す気になれず、遠くへ、遠くへと、足を走らせる。
走行データを取るために腕に付けている携帯が、2回落っこちた。
その小さな精密機械は、カツンと音を立てて、流れるように地面を滑った。
あと2、3日もすればスマホが届くことになっているのだ。私は荒んでいたので「ざまあみろ」と毒づいてみる。
ジャックの接触の悪いイヤホンが、時々音をこもらせる。
忌々しい。私は走りながら接続部分をいじる。
本当につまらんよ。
今日はつまらん日だよ。
家に帰っても食べるものがないことを思い出した。
スーパーに寄って、おかずだけ買って帰ろう。
おかずか。
そろそろ帰るとするか。
おかずを買うといっても、スーパーからも走るので、ウェストポーチに入るものにしなくてはならない。
私はスーパーでイワシを1パック買い、レジを抜けたらビニールに入れ替えてウェストポーチにそれを入れた。
家まであと少し。ラストスパートだ。う。なんか結構疲れたね。何キロいっただろ??
10.01km。
家の前で携帯のデータを見て、私は非常にガッカリした。
あんなに走ったのに、10キロ??しかもなによ、「.01」って。
ホントにつまらん日だよ。
イワシをおろして食べた。