人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

自分を破壊する

ぐぁあああああああああああああああッッッ!!!!

・・・と雄叫びを上げて、暴れ出したかった。

紙をビリビリに破くとか、頭をガンガン壁にぶつけるとか、破壊的なことがしたい。

鉄格子持って叫びたい。

自分で言うのも何だが、最近はストレスを溜めないようにすることが上手くなったと思う。

技術ではない。バカになったのだ。

感知しない。流す。それに尽きる。

次に私は、冷蔵庫に向かった。

「ヤケ食い」という行為は確かに存在する。

しかしこの燃え上がるような食欲と反比例するように、冷蔵庫には何も入っていなかった。

厳密に言うと「すぐに食べられるもの」という事になるが。

この状態で、調理なんかするかEE:AE4E5今すぐそこの丼、の中身、持って来い!!片っ端から食ってやる。

だが現実には、ひき肉ときゅうりともやししかない。

きゅうりが食えるってか。この状態できゅうりが食えるか!!あんた、怒り狂った人間がきゅうり食べてるところを見たことがあるか!!

感知しなければ問題ない物事を感知してしまった場合、私はこのように非常に不安定になる。

私は決してストレスに強いのではない。弱いから逃げる方法を見つけただけである。

しかしそれは、向こうの方からやってきた。もう逃げられない。

さ、酒を・・・。

この件については、昨日すでに伏線が張られていた。なので昨日のうちに私は、酒との対決を済ませていたのだ。

今日は金曜日である。この大切な飲酒デーを、木曜日のヤケ酒で台無しにしたくない。

意味のわからない方に解説すると、二日酔いで金曜の酒がまずくなる、ということだ。

だから私は耐えたのである。

それを、あと半日だというのに、ここで無駄にしたくはない。

私はストレスの根源と飲酒の誘惑との2つの戦いを強いられる結果になって、ますます混乱した。あ、食欲との戦いもあるから3つか。

とにかく、ひどい状態だったのである。

そしてわたしは、実際に何かを破壊することを考えた。

破壊といっても、分解とは違う。派手にやらないと意味がないのである。

しかし意味といえば、家にあるものはみんな意味があってここにあるのだ。破壊どころか分解すらされていいものはない。

あああああああEE:AE4E5何とかならんものか。

サンタイザベル・ぽ子、大人になりました。

私はこのストレスを、走って消化することにしたのだ。

このメチャクチャにしたい衝動を、自分に向けたのである。見習え、青少年。

ジョギングウエアに着替え、準備運動もそこそこに、私はいつもより早く外に走り出した。

限界まで走ってやる。帰れなくなるぐらい、遠くまで行ってやる。いっそもう、帰れなくなってしまえばいいのに(泣)

ところでこれまで走った最高距離は、10キロである。だから少なくともこの距離は超えたかった。15とか20とかいう数字を叩き出したら、ちょっとは気が晴れるかもしれない。

はっしっれっ、はっしっれっ。

楽な運動ではない。走っていると、難しいことは考えられなくなる。

はっしっるっ、はっしっるっ。

やがて無に近い状態になる。

不思議なもので、最初のうちはキツいのだが、ある線を越えると走るのが楽になってくるのだ。

いくらでも走れるぞ。いくらでも走ってやる。

コースはいつも、適当だ。

極力信号で止まらないようにして、キツくなってきたら折り返す。

しかし今日はなかなか折り返す気になれず、遠くへ、遠くへと、足を走らせる。

走行データを取るために腕に付けている携帯が、2回落っこちた。

その小さな精密機械は、カツンと音を立てて、流れるように地面を滑った。

あと2、3日もすればスマホが届くことになっているのだ。私は荒んでいたので「ざまあみろ」と毒づいてみる。

ジャックの接触の悪いイヤホンが、時々音をこもらせる。

忌々しい。私は走りながら接続部分をいじる。

本当につまらんよ。

今日はつまらん日だよ。

家に帰っても食べるものがないことを思い出した。

スーパーに寄って、おかずだけ買って帰ろう。

おかずか。

そろそろ帰るとするか。

おかずを買うといっても、スーパーからも走るので、ウェストポーチに入るものにしなくてはならない。

私はスーパーでイワシを1パック買い、レジを抜けたらビニールに入れ替えてウェストポーチにそれを入れた。

家まであと少し。ラストスパートだ。う。なんか結構疲れたね。何キロいっただろ??

10.01km。

家の前で携帯のデータを見て、私は非常にガッカリした。

あんなに走ったのに、10キロ??しかもなによ、「.01」って。

ホントにつまらん日だよ。

イワシをおろして食べた。