塩釜焼きは失敗したが、まだひとつ、希望というか、楽しみが残っていた。
塩釜焼きを作る際、卵白を使うのだが、そうなると卵黄が残る。
卵というものは割ってしまうとどんどん雑菌が増えていくとのことで、消費するなら早く、が鉄則である。
そんなことを言われても、卵黄など納豆かポロ一に入れるぐらいしか思いつかない。
困った時のインターネットだ。そこで私は「卵黄の味噌漬け」なるレシピと出会うのである。
前回、イサキで塩釜を作った時に、すでに1回試してある。
その時のレシピは「味噌を敷いてくぼみを作り、そこに卵黄をIN」というシンプルなものであった。
にもかかわらず、「卵黄をIN」をクリアできずに失敗した。割れてしまったのである。
もったいないので極力動かさないようにしてそのまま漬けておいたのだが、どうも味噌に触れていない表面の部分が不安になってくる。
雑菌ウヨウヨにならないのだろうか。
心配だったので、本来2~3日漬けるところを、半日ですくい出して食べてしまったのだった。
しかし美味しかった。
トロリとした卵黄は、味噌のせいでか少し粘度を帯びている。
そこに味噌の風味。
こりゃあたまらん。ご飯が進む。
割れていたのであんまり食べることができなかった。
今回は、しっかり卵黄に味噌でフタをして、3日間漬ける。もちろん割れないように注意だ。
味噌にはみりんとガーリックパウダーも混ぜ、風味をUP。
これは、これこそは、負ける気がしない。
ほんのり二日酔いで始まった月曜日であった。
ポロ一は寝る前に食べてしまったからか、さほど食欲もなく。
コーヒーという感じでもないので一日のスタンスがまるで変わってしまった。
サンドイッチ。
夜になって、小腹が減ってくる。
冷蔵庫を開けると、あっEE:AEAABいいもんめっけEE:AE5BE
塩釜焼きが金曜日だったから、3日経っている。逆にこれはもう、早く食べなくては。
ご飯を軽くよそり、冷蔵庫からかの味噌漬けを出す。
かぶせた味噌をどけやすいように、あらかじめ濡らしたキッチンペーパーを敷いてあった。
これをはがすと、下から艶のある卵黄が顔を出した。
すっかり色が味噌色に変わっている。
割れないように・・・とスプーンを卵黄の下に潜り込ませたが、おおっ??こいつ、硬くなっている。
なので端をつついて取り出すことができた。
硬く、というか、厳密に言うと、ものすごい粘度が上がったというか。グミのようである。
小さくしてご飯と食べたいのだが、スプーンにまとわりついて、切ることができない。散々ご飯の上を転げまわって、ベタベタになってしまった。
噛み付いて、食いちぎる。
ヌタッ。
うっ、なんか凄い食感だねEE:AE5B1
追っかけご飯を口に入れるが、ガムのようなグミのような物体に絡みつき、どうも「食べている」という感じがしない。
その上、ヌタヌタの卵黄は歯のあちこちにへばりつき、非常に不愉快である。
味云々を語るまでには至らない。
これは食べ物ではない。
塩釜焼きもまだ諦めていないが、こっちももっと漬け時間を短くしてまず「食べ物」として評価してみたい。
塩釜とセットでまだまだ続くのであった。