人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子56歳。

光る目玉の正体。

ラーメンを食べに行った帰り道のことである。

ダンナが仕事から帰ってから行ったので、もう時間は夜の11時近くになっていた。

私たちの乗った車は家の近くの住宅地に入っており、スピードを落として人気のない道路を進んでいたのだ。

すると正面から、二つの光る目玉がこちらに向かってきたのである。

とっさに「猫だろう」と思った。単純に、確率である。珍しい事ではない。

ダンナはさらにスピードを落として進んでいく。

このように道端で猫に出会うと、その柄や形状を見て、どんなにブサイクでも「可愛いねぇ」などと言うのが慣わしである。

二つの目玉は、ピョンピョンと跳ねるようにこちらに向かってくる。

蛇行して、どうやら少し興奮しているのだろうか。

近くなってくると、どうやらそれは猫ではないことが分かってきた。

ちょっと大きい。

というか、ふっくらとして、猫っぽくないのである。

犬か。確率だ。こんなところをひとりで歩いているのは、猫の次に犬である。

ダンナも猫ではないことに気づいたようで、ゆっくりと車を停める。

その動物は、まるで酔っ払ってでもいるようにクネクネ蛇行しながら、私達の目の前を横切るようにして去っていった。

ヘッドライトに照らされたそれは、

「タヌキ!?」

実はここ東村山では、ありえないことではないらしい。ダンナも一度見ている。

私もここからそう遠くない西武園で見たことがあるが、ちょっと待って、うーん。タヌキって、こんなんだったっけ?

西武園で初めて野生のタヌキを見た時に思ったことは、「意外とスリム」であった。

タヌキというが、顔も胴体も細長く、キツネのような感じである。

ところが今、目の前を横切った暫定タヌキは、むしろタヌキである。いわゆるマンガに出てくるような真っ当なタヌキのイメージそのもの。

体型は丸く、顔も横に平べったく、愛嬌のある顔であった。

気になるので家に帰ってから画像を調べてみたが、あれはタヌキではなかった。

尻尾が決定的に違う。しましまだったのだ。

アライグマである。

なんでこんなところにアライグマがいるのかは謎だが、「アライグマ駆除」というキーワードがたくさん出てきたところを見ると、案外そこらじゅうにいるものなのかもしれない。

ペットショップで買ってきて、飼いづらくて捨てられる、という話を聞いたことがある。

友人も飼っていたことがあり、大変なイタズラ好きとのことで苦労していた。

元気が良さそうな子だったが、一体どういう経緯であんなところにいたのか。飼い主がいるなら、早く手元に戻してやりたいけど、あの動き。ありゃそう簡単には捕まらないだろう。

どうなることやら。

余談だが、久米川駅近くで暫定悪魔も見たことがある(笑)

あれは何だったんだ、一体。