酔うと、何だかハッピーになる。
酔うと、挑戦したくなる。
酔うと、何でもできそうな気がしてくる。
酔うと、素晴らしい思いつきが生まれてくる。
酔うと、幸せにしてあげたくなる。
しかしそれは、錯覚である事を、翌日思い知るのである・・・・・。
その日、私とダンナは新宿でしこたま飲んでから、本川越行きの急行に乗っていた。
日本酒を飲み、かなりゴキゲンだった事は確かである。
この電車の中で、携帯からブログの更新をしようと思っていたのだが、思いがけず話が盛り上がってしまい、結局それはできなかったのだ。
その代わり私達は、素晴らしい事を思いついたのであった。
もうすぐPの3周年である。
去年の2周年のライブパーティには参加しなかったが、とても盛り上がった様子を店のブログで見ることができた。
今年は参加する予定だが、ただ演奏して酔っ払って帰ってくるのでは、いつもと変わらないじゃないか。
おめでたい3周年である。
マスターありがとう、と言う日である。
恐らくPで一番迷惑を掛けている客なのだ、何か感謝の気持ちを形にできないだろうか。
「オリジナリティのあるものにしよう。」
「Tシャツは?」
「それなら簡単にできそうだね。」
POPROCKとカッコいいロゴを入れて。
マスターの顔も入れたら?
名前もフルネームで。
それならいっそ、ウチのえうたんの写真にして・・・。
えう・命。
この案は、暴走しすぎて却下。
「店に飾れるものとかは?」
「でも、もし気に入ってもらえなかった場合、マスターは嫌々飾らなくちゃならない事に・・・。」
「じゃあ消耗品とか、数あっても困らないもの・・・。」
「んーー・・・。」
「コースターは!?」
「コースター!!」
「オリジナルのコースターだ!!」
「それ、いい!!」
「ああ、ちくしょう、早くしないと誰かにパクられるかも・・・。」
私達は、どんなコースターを作ろうかと考え始めた。
最初のうちはふたりでアイデアを出し合っていたのだが、お互いの方向性がだんだん変わってきたために、別々の道を行く事になった。
そして、最終的に決まったものとは。
一応、その時は真剣だった。
本気で素晴らしいと思ったのだが。
ダンナ案は、電飾ビカビカつけて、グラスを置くと光るようにするというもの。
「POPROCK」という文字が光る。
私の案は、木彫りでサグラダファミリアをコースターのフチにおっ建てるというもの。
この案を二人で電車の中で、「もうアイデアが溢れ出ちゃってしょうがない!!」とばかりに興奮気味に創り上げたのである。
サグラダファミリアの方は、後継者を募集中。
マスターが生きているうちに完成するといいのだが。