人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

錯覚は人を幸せにするだろうか

酔うと、何だかハッピーになる。

酔うと、挑戦したくなる。

酔うと、何でもできそうな気がしてくる。

酔うと、素晴らしい思いつきが生まれてくる。

酔うと、幸せにしてあげたくなる。

しかしそれは、錯覚である事を、翌日思い知るのである・・・・・。

その日、私とダンナは新宿でしこたま飲んでから、本川越行きの急行に乗っていた。

日本酒を飲み、かなりゴキゲンだった事は確かである。

この電車の中で、携帯からブログの更新をしようと思っていたのだが、思いがけず話が盛り上がってしまい、結局それはできなかったのだ。

その代わり私達は、素晴らしい事を思いついたのであった。

もうすぐPの3周年である。

去年の2周年のライブパーティには参加しなかったが、とても盛り上がった様子を店のブログで見ることができた。

今年は参加する予定だが、ただ演奏して酔っ払って帰ってくるのでは、いつもと変わらないじゃないか。

おめでたい3周年である。

マスターありがとう、と言う日である。

恐らくPで一番迷惑を掛けている客なのだ、何か感謝の気持ちを形にできないだろうか。

「オリジナリティのあるものにしよう。」

「Tシャツは?」

「それなら簡単にできそうだね。」

POPROCKとカッコいいロゴを入れて。

マスターの顔も入れたら?

名前もフルネームで。

それならいっそ、ウチのえうたんの写真にして・・・。

えう・命。

この案は、暴走しすぎて却下。

「店に飾れるものとかは?」

「でも、もし気に入ってもらえなかった場合、マスターは嫌々飾らなくちゃならない事に・・・。」

「じゃあ消耗品とか、数あっても困らないもの・・・。」

「んーー・・・。」

「コースターは!?」

「コースター!!」

「オリジナルのコースターだ!!」

「それ、いい!!」

「ああ、ちくしょう、早くしないと誰かにパクられるかも・・・。」

私達は、どんなコースターを作ろうかと考え始めた。

最初のうちはふたりでアイデアを出し合っていたのだが、お互いの方向性がだんだん変わってきたために、別々の道を行く事になった。

そして、最終的に決まったものとは。

一応、その時は真剣だった。

本気で素晴らしいと思ったのだが。

ダンナ案は、電飾ビカビカつけて、グラスを置くと光るようにするというもの。

「POPROCK」という文字が光る。

私の案は、木彫りでサグラダファミリアをコースターのフチにおっ建てるというもの。

この案を二人で電車の中で、「もうアイデアが溢れ出ちゃってしょうがない!!」とばかりに興奮気味に創り上げたのである。

サグラダファミリアの方は、後継者を募集中。

マスターが生きているうちに完成するといいのだが。