しかしである。
私は今日、朝一番でやらなくてはならない事があった。
猫のオシッコを病院に持って行くのである。
急に痩せてしまったミは今病院にかかっているが、どうしてもオシッコが採れなくて検査が進まなかったのである。
それが昨日、泥酔している私達の横のトイレに、ミは突然しゃがんだのだ。
チャンスだ。いやもしかすると、私達は試されていたのだろうか?
そこで手にしたのは、100均であらかじめ買ってあったおたまである。
これをスッとミのお尻の下に入れる。
なんとスマートな採尿法。
しかし現場は「早く早く!!」「おたまを!!」と大騒ぎであった。
このオシッコの命は半日ほどと聞いていたので、今日の午前中、できるだけ早くに病院に持って行かなくてはならなかったのだ。
しかし二日酔いで起きれない。
病院は9時からだったが、う~ん、オシッコ採ったの11時頃、だから半日なら11時までに行けばいいじゃん・・・、とグズグズしていたのだ。
10時に病院に着いた時には、後悔した。
凄く混んでいたのである。
1時間半待って、3分ほど結果を聞いて帰ってきた。
二日酔い効果で腹が減って気が狂いそうだったが、こんな日の昼食はサッポロ一番みそラーメンと決まっている。
おっ、そういえばキムチが少し残っていたはずだ。
久しぶりの「ぽ子スペシャル」になるぞ。テンション上がってきた~~~~!!
駐車場から車を出す時に、歩道まで出て車が切れるのを待っていたら左から自転車が来てしまった。
下がろうにも、もう後ろには次の車がピッタリついてしまって下がれない。
この場合悪いのは前に出すぎている私だが、右に車が路駐していて見通しが悪かったのだ。
自転車は私の左に止まった。
ヤバい、早く車、切れないかな。
自転車を見ないで済むように、右だけを見て車が切れるのを待つ。
しかしなかなか車は途切れない。
自転車、どうしたかな、左をチラリ。
うっわ~~、すっげー怖い顔してオバチャンがこっち睨んでるよ!!
バツが悪いのですぐにまた右を見たが、いや、これは私が悪いのだ、逆の時には私も非常に怒りを感じて何度も中指を立てて見せてやろうかと思った事がある。
「すみません」を伝えようと片手を挙げてオバチャンを見たら、待つのを止めてちょうど私の車の前を横切るところであり、彼女はゆっくり自転車をひきながら私を睨み、呪詛の言葉をつぶやいていた・・・マジ、涙出そうEE:AEB64
小さな事だが、こういうダメージに弱いのだ、私は。
何代先まで呪われただろうか、娘ぶー子よすまぬ。
しかし今度は、駐車場の出口付近に停めた車に腹が立ってきた。
オバチャンよ、呪うならこっちを呪ってくれと言いたが、漢字の読めぬ人間に駐車禁止の標識を見せるようなものである、まず彼女を教習所に連れて行って交通ルールを教えてやらなくてはなるまい。
そんな事を考えていたら何だか色々面倒になり、やっと気持ちはポロ一に向いてきた。
途中のコンビニでその袋ラーメンひとつだけを買い、家に帰ってお湯を沸かす。
その間に猫にご飯をあげ、猫のトイレの掃除をし、出来上がったラーメンに一味をたっぷり振って生卵を割り入れる。
冷蔵庫からキムチの入ったタッパーを取り出し、広げた新聞紙の上に乗せる。あ。
いい所だったのに、つまらん事を思い出してしまった。
病院に行く時に、洗濯機を回して出たのだった。
もう昼だ。
まぁこの陽気だ、今から干しても乾くかもしれないが、「やりたくない」というネガティブな感情が先程のオバチャンの1件を思い出させ、すっかりモチベーションが下がってしまった。
「もういいや」「どうでもいい」という開き直りは、どんどんと膨らんでいくもので、結局私はラーメンを食べたら寝てしまったのであった。
起きたらまたラーメンが食べたくなっていた。