目覚ましが鳴る前に、気持ちの良い目覚めだ。
この頃、飲まないで寝るとこのように爽やかな朝を迎える事ができるようになってきたのだが、早過ぎる。
何時かは知らないが、ここからがどえらい長いのである。
いつの間にか日も延びて、早い時間から暑くなってくるようになっていた。
いかにももうすぐ目覚ましが鳴りそうな朝なのである。
しかし実際には5時か6時か、とにかく無駄に早くが覚めているのだ。
爽やかな朝に違いはないが、どうしても気持ちの方が納得いかないのである。
かくしてこの頃は、二度寝がスケジュールに組み込まれるようになった。
この年寄り的早起きの原因は、暑さじゃないかと思われる。
今のところまだ扇風機で夜はしのげているが、寝るのは1時、朝になればおのずとそれよりも気温が上がる。
その早さと言ったら冬よりも秋よりも春よりも、どの季節より早いのである。
1年で一番暑い朝に、頭は寝ているが体は反応する。
反応した体は頭を起こす。
しかし体は頭ではないのだ、ノータリンなのでただ理由を伝えず起こすだけである。
だからしばらく気付かなかったが、単に暑くて目が覚めているだけであった。
ノータリンめ、起こすなら目覚ましの鳴る寸前にしてくれりゃちょうどいいのに、私の体内はどいつもこいつも自分勝手である。
次に起きた時には、ジリジリの晴天であった。
うおっ、もったいない、布団を干そう。
仕事を辞めてからハマッているのはこの、布団干しである。
別に好きなのではない。
「こんなに疲れることをやった」というアピールのためである。
今までは午後から仕事だったので、午前中しか干すことができなかったのだ。
しかしやらねばならない事は布団干しばかりではない。
どこもかしこも散らかって汚れている上に寝る時間も長いため、なかなかそのチャンスが巡ってこなかったのだ。
優先順位はダンナ→ぽ子→娘ぶー子だが、ぶー子の布団などほとんど干した記憶がない。
今日は久しぶりにぶー子の布団を干す事にした。
ぶ-子の布団を干さない理由を、何となく思い出してきた。
難易度が高いからである。
ハンパな散らかり方じゃないため、歩くのも爪先で飛ぶように行かなくてはならない。
ベッドに着くまでに何かを何度か踏んだが、こんな部屋、ぶー子も絶対に何かを踏んでいるはずである。
布団を抱えてからは死闘だ、、遠慮なく踏んだ。
圧倒的に多いのが服とマンガと雑誌だが、踏んだところで分からないものばかりで助かった。
まぁまさか、ベネチアングラスやロールスロイスなど転がってなかろうが。
ついでにシーツと布団カバーを洗ったが、そのせいでせっかくの重労働に気付いてもらえない事もあるのだ。
ビフォーとアフターに変化がないからだが、新しいシーツを出したり洗ったシーツをしまったりするより、洗い終わったものをそのままつける方が合理的である。
そんな時は「果たして黙っていても、干したての布団としけった布団の違いが分かるだろうか」といじわるな事を考えて終わる。
ちなみに、意外と気付かないものである。
暑かった。
しかしなんと、布団を干したのである。
満足だ。
家事なんて結局、自己満足の世界なのである。