11時30分。
目覚ましは11時15分だったが、誤差が15分ならまだマシな方だ。
昨夜は3時間しか寝れなかったので遠慮なく二度寝したが、リビングに下りて1日の予定を立てようと思い、時計を見て驚いた。
1時30分であった。1を勝手にひとつ増やして読んでいたようだ。
昨日と同じパターンである。
昨夜も残業で遅かったダンナは、深夜12時過ぎに風呂を出て、やっと晩ご飯にありついたのだ。
そしてそれに続いて帰宅したのは、娘ぶー子。
遅番も頼まれて、彼女も「残業」であった。
翌朝はそれぞれ6時、6時半起きである。
早く寝たいだろうが、早食いしてまでそうはしたくないようで、二人並んで深夜番組を見ながら近況報告(この二人の再会は久しぶりなのである)をしていた。
私は午前中寝過ぎたのでその分を夜に回すつもりでいたからいいのだが、結局彼らが片付いたのは1時半、そこから片付けに朝ご飯と弁当の準備をしてやりかけの仕事を終えたら3時である。
しかし困った事になっていた。
「ちゃんと6時前に起こすから心配しないように。」とぶー子に言ったはいいが、この時間に薬を飲んで寝たら起きれないのではないか?
しかし薬抜きで「翌朝絶対5時50分」などというプレッシャーを抱えて眠る自信はない。
薬と言っても睡眠薬ではない、軽い安定剤だ、まさか目覚ましが分からないほど眠りこけることはないだろうという方に賭けて、私は薬を選んだ。
ところで今私は、喉の状態をよくするために、病院で処方された薬も飲んでいる。
飲み合わせが心配だったので一応安定剤の事も話したが、「まぁ大丈夫です」との事であった。
しかし、「まぁ」の部分には、若干の問題が含まれていた。
夜飲むように出された薬の中に、眠気を起こすものがあると。
そうなると安定剤と効果が重なって、「すんごく眠い」という状態になるかもしれないとの事であった。
とは言っても、眠りたくて安定剤を飲んでいるのだ、眠くなる分にはウェルカムである。
いつもは布団に入る30分ほど前に安定剤を飲んでいたが、昨日は寝る時間が読めなかったため、飲んでから結構時間が経ってしまったのだ。
そのせいか、3時の時点では酔っ払った時のように頭がクラクラして、おかしな浮遊感があった。
新鮮である。
ここに酒を飲んだら、どこかにトリップできそうだ。
グッスリ寝た。
ぶー子とは今、早起きバトルをしていて、1ヶ月の間により多く相手より早く起きたほうが、何らかの褒美を貰うという事にしている。
お互い朝に弱いから考えたのだが、今日はぶー子に起こされた。
目覚ましが鳴ったのは知っていた。
携帯が鳴ったのも知っていた。
起きなきゃならないのも、早起きバトルも知っていたが、2回ほどスヌーズを消したらそれらの意識はなくなり、機械的に目覚ましを止めていた。
負けた。
自分にも、ぶー子にも、負けた。
気が付いた時にサッと起きれば良かったのだ、いつ起きたって辛いんだから。
西郷さんも言ってたじゃないか、早起きは決断力のトレーニングだと。
そうだ、実はちゃんと西郷さんの事も頭をよぎり、今だ、とまで思ったのに。
自分に甘いのだ。
寝不足なら後で寝ればいいんだから、とりあえず起きるべきであった。
・・・という事をいまだに毎朝繰り返している。
6時に起きれる人って凄いなぁと、心から尊敬する。
43歳、サンタイザベル・ぽ子。