明日で退社する。
大型残業は今日で最後になるだろう。
出荷の量と持ち時間が全くそぐわないのである、残業は必至であった。
「何時に終わるか分からない」「許す限りの時間を」という話で、久しぶりに相当な覚悟を持って出社したのであった。
結果的に終わったのは、7時45分である。
もっと遅く帰った事も過去にはあったが、現在社員は7時出勤をしているのである。
私も午前から出社しているので、条件が違うのだ。
同じぐらいの大型残業である。
しかし私は、残業は嫌いではない。
そうしょっちゅうないから言えるのだろうが、放課後のような雰囲気、時間との勝負、目標に向かってひとつになろうとする団結力、そういった「何となくスペシャル」という感じが結構好きだったのである。
それだけではない。と言うか、こっちがメインか。
「残業でした」と言ってダンナより遅く家に帰る、変な優越感。
もう疲れました、という事で今日はもう閉店です、私は何もしませんから、と言えるチャンスなのである。
私からメールの返事が途絶えると、ダンナは「残業か」と察知するのだが、タイムカードを切って携帯のメールを開くと、「残業?」「まだ?」「大変だね」「お疲れ様」「ご飯買って帰ろうか」という感じの流れになっている事が多い。
なので遠慮なくそれに甘え、あわよくば晩酌までしてふんぞり返るのである。
そんなチャンスをはらんだ今日なのであった。
悪くない。
「晩御飯、作る気ないねぇー。」
パート仲間は主婦か、彼氏と同棲中である。
同じ気持ちを分かち合いながら、「牛丼」「ピザ」「お届けガスト」「宅配」などとロッカーでしりとりのように言っていた。
まぁダンナ次第かな?
何か買って帰ってきてくれてるかもしれないし、食べに行こうと言う時もある。
携帯を開くと、Cメールが1通。ダンナである。
「今日は9時まで残業になりそうです。」と、それだけであった。
この一言で私は、もてなされる側からもてなす側に一気に転落した。
ギョー、晩御飯どうしようEE:AEAC6
作るのは面倒だが、実は材料は買ってあったのである。
この献立を思いついた時には、残業の予定をすっかり忘れていたのだ。
しかしそれは、恵比寿で日本料理屋を経営する笠原将弘氏の素晴らしいレシピと、野菜の美味しさを充分に引き出した極旨マリネなのである。
食べたいと言っちゃ、食べたい。
しかし、面倒臭過ぎである。
笠原氏のレシピは一応牛丼だが、長イモをみじん切りにして梅干と混ぜたり、卵を湯煎して泡立てたり、ご飯にあらかじめ紅ショウガを混ぜたりしなくてはならないのである。
家に着いたら8時になっていた。
風呂に入らなくてはならない。
その前に、お腹をすかせた猫たちがブアッと群がってきた。
・・・疲れた。
しかし、もしかしたら私がなかなか帰らないので、エルがすねてウンチEE:AE4F5を変なところでしてるんじゃないかと胸騒ぎがした。
悪い予感ではない。
「それ程私の事が待ち遠しかったのか」という期待である。
あれほど手を焼いたエルのトイレのしつけだが、きちんとできるようになった分、こちらにも余裕ができたのかもしれない。
たまにはいいぞ、エル。
エルのウンチは床のどこにも落ちていなかったので、まずは猫たちにご飯をあげた。
こんな時に限って、猫えさケースは空である。
大袋から2種類、ケースに移す。
それが終わると、猫のトイレ掃除だ。
みんな良い子でいてくれた。
じゃあ風呂に入るか、と思ったが、その前にブログの下書きだ。
文章を書く時は、一人の方が集中できる。
バタバタするまえに片付けてしまえ。
さて、もうすぐ9時だ。
風呂に入る。
そして。
ご飯を作ろうと思うEE:AEB85
疲れたのだ。
疲れた分、美味しい物が食べたいのだ~~!!
では、最後の仕事にとりかかろう。