まぁこの辺は押さえときましょう、的な軽い気持ちで借りた1本。
監督:堤幸彦
キャスト:渡辺謙、樋口可南子
広告代理店でバリバリ働く佐伯は49歳。
家庭を顧みない仕事人間で、接待、付き合いの朝帰りも多かったが、妻・枝実子、娘・梨恵は、もう諦めて受け入れていた。
最初は軽い物忘れからであった。
名前がサッと出てこない、なんていうのは誰にも良く起こることであり、気にはしていなかったが、そのうち買ったものを忘れて何個も何個も買うようになり、枝恵子が異常に気付く。
「若年性アルツハイマー」。
そう診断されて取り乱す佐伯。
彼はその後をどう生きていくのか?
ちょっと年上だが、主人公佐伯は自分と同世代とも言える年齢である、他人事ではない。
自分やダンナに置き換えて見てしまい、本気で恐ろしくなった。
「自分が変わっていく」、日々、できることが少なくなる佐伯とそれを支える妻だが、その心境を思うと辛い。
渡辺謙の迫真の演技に惹き込まれ、ベタな泣き所も涙なしには見れなかった。
救いようがなく、切ない思いしか残らなかったが、人生、一筋縄ではいかないものである。
こんな世界があることを知っておくべきだろう。
ぽ子のオススメ度 ★★★★★
ダンナのオススメ度 ★★★★☆