「エル」。
重い病気を背負っていた子猫の当時、ダンナが思いを込めて名付けた「L」。
長く(Long)生きて(Live)欲しいという気持ちで、子猫にエルと名付けたのだ。
願いは叶いエルは病気を乗り越えて、今は元気に走り回っている。
とんでもないやんちゃっ子だが、私たちはそんなエルがもう可愛くて可愛くて仕方がないのである。
ところで。
山崎豊子の「大地の子」という話をご存知だろうか。
長編で、読むには根性がいる小説だが、ドラマ化もされていたはずだ。
ただ、かなり内容が端折られていた気もするが。
第二次世界大戦末期の満州から、舞台は開ける。
まだ子供だった主人公だが、ソ連の侵攻によって満州からの逃避行を余儀なくされる。
その道すがら親を亡くし、中国人夫婦に引き取られる事になるのだが、その夫婦がまた極悪夫婦で主人公は奴隷扱いをされ、結局そこを逃げ出すのだ。
その後はいい人に出会い、その人を父として育っていくのだが、主人公は親が変わるたびに名前も変わることになる。
始めは「勝男」であった。生みの親がつけた名前である。昭和初期の日本人らしい名前だ。
最後は「一心」だが、養父は中国人だったので中国の名前だろうか。
しかしその文字から、名付けた養父の暖かみが感じられる。いい名前だ。
そして、極悪夫婦がつけた名前は「大福」であった。
別に何てことない名前なんだろうが、これがもうツボッてしまい、当時結構色々応用して笑った記憶がある。
大福ってEE:AEB64
実の親よ、あんたの可愛い勝男ちゃんは、「大福」となってコキ使われているぜよ。
大福。
今朝は何とか起きたが、眠くてソファでボーーーッとしていた。
何で急にそんな事を考えたのかは分からないが、私は、エルが窓から出て行ってしまったらというような事を考えていた。
どんどん遠くへ行ってしまうだろうか。
戻って来れなくなるだろうか。
そうなると、もう二度と会えないのか?
いや、エルは人懐っこいので、誰かに拾われるかもしれない。
ああ、できればいい人にもらわれて欲しい。
別れは辛いが、のたれ死ぬぐらいなら、どこかで幸せになっていて欲しい。
ところがひょんな事から、「エルちゃんらしき猫を飼っている人がいる」という情報が入るのである。
迷い猫を拾って育てるような人である、果たしてエルは大切に育てられてはいたが、名前が「大福」になっていた。
もうこの展開が可笑しくて、私は朝から爆笑した。
大福ってー!!
ちょっと待ってよ、これ、どう見たってエルでしょ!?一体どこのどの部分が大福!?
エルもエルで、「大福」とか呼ばれながらちゃっかりご飯をもらっていたりしたのだろう。
面白いので、しばらくエルの事を「大福」と呼ぶことにする。