人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

Porpoise Song / The Monkees

今回この曲をUPしようと思った理由を書くと、ちょっと長くなる。

色々な経緯があって、映画「バニラ・スカイ」のサントラの存在を知ったのは、ついこの間の話である。

フタを開けてみると豪華アーティストのオムニバス状態であり、これは聴くっきゃない!!と早速借りてきたのだ。(買わない。)

特に私を驚かせたのは、中にモンキーズの「ポーパスソング」が入っていた事である。

モンキーズ。

1966年にデビューした、アイドルバンドである。

オーディションで合格した4人は「ザ・モンキーズショウ」というコメディドラマに出演、ミュージシャンというよりは単なるアイドルに近い存在であった。

実際彼らは最初、演奏すら出来なかったと言われている。

このモンキーズのドラマは時を経て1980年、日本で再放送され、私を虜にしたのであった。

やはり「アイドル」としての位置づけであったが、ブームに乗って再発売されたアルバムも片っ端から買った。

音楽にも興味を持ち始めていたので、アイドルのそれであっても私は熱心に繰り返し聴いた。

ウィキペディアにも載っていないのでこれは公式アルバムなのか分からないが、中に「ザ・モンキーズ・ゴールデン・ストーリー」という2枚組みのベストがある。

「ポーパスソング」はこのアルバムの2枚目B面の1曲目に、静かに入っていた。

リバイバルとは言え彼らの歴史を知らない私には、この曲がどういうポジションにあったのかは分からなかった。

当時日本でも公開された彼らの映画「HEAD」のテーマソングである。

この映画は「これまでのモンキーズのイメージを変える」という意図で作られたようで、分かり難いシュールな作品であったそうだ。(私はもう丸っきり覚えていない。)

その意図に沿ってか、この曲もアイドルらしからぬ雰囲気を持っていた。

静かな、しかし深い曲である。

ゆったりとしたテンポにリバーブの効いたアコースティックギター。

低いストリングス。

オルガンと鐘の音色が荘厳な雰囲気を醸し出す。

私はこの曲がムチャクチャ好きだった。

何年も経ってから作った自分のベストにも1曲目に入れ、今でも好んで聴いている。

しかし世間では、非常にマイナーな曲である。

ブームがあったとは言え、私はこれまでモンキーズのアルバムを聴き込んだという人間に出会ったこと事がない。

その中の訳の分からないアルバムの1曲である。

この曲が「バニラスカイ」のサントラに入っていたのだ。私は超ぶったまげた。

まさかこの曲をデジタル音源で聴く日が来るとは思わなかった。

何となく、自分の心の奥深くにひっそりしまってあった宝物を乱暴に引きずり出されたような気持ちにもなったが、音楽界の偉い誰かが私のようにこの曲を思っていたのかと思うと悪い気もしない。

この動画は「バニラスカイ」ではなく、モンキーズの「HEAD」の方である。

探すのにちょっと苦労した。

どうぞ、ご堪能下さい。

Porpoise Song / The Monkees