飲まずに早寝し、二度寝もせずにテーブルについた朝。
手帳を広げると今日の予定は、「ぶー子からCD」と書いてあった。
栄えある初の予定達成(目標達成ではない)は、これである。
こんなもの、予定になるのかと思われるかもしれないが、結構これでも骨が折れたのだ。
娘ぶー子は紛れもなく私の娘、頼みごとや約束事を果たすまでに時間がかかるのである。
コンポをもっと生かしたいと常々考えていたが、そのまず第一歩として、うちにあるCDをどんどん落としていくことにしたのだった。
どうせなら、ぽ子的に新曲になる方がいい。
そうだ、ぶー子が車でかけていたフォールアウトボーイを貸してもらおうじゃないか。
CDを貸してくれと頼んだ時には、「うん、後で。」と言われた。
数日後にCDどうした?と聞くと、「あっ。」と言ったが、「今、時間がないから。」と逃げられた。
まぁ借りるほうの私も私でまたそのまま何日か忘れるのだが、今朝、ついに借りることができた。
貸してくれたと言うか、持ってこないので部屋まで取りに行ったのだった。
CDが入っている棚の真ん中辺、と、言われた場所を探したが、驚いた事に本当に真ん中辺にあった。
たまにはまともな事を言うのである。
しかしグチャグチャに突っ込んであったので、CDを取り出す時に、上に積まれていたCDがガサッと落ちてきた。
あーもう、ホントだらしないなぁ・・・とそれらを拾い上げると、「ぶっ生き返す」というタイトルが目に入ったのでつい見てしまった。
裸の老婆が目を血走らせて包丁を振り回しているイラストのジャケットである。
ぶっ生き返すEE:AE4E6
言われたとおり、羊のジャケットのものと劇場のジャケットのものと2枚持って、ダイニングに下りる。
どっちでもいいや、じゃあこの羊の方。
ケースを開きながらコンポに向かう。
・・・空じゃねーかEE:AE4E5
相手はぶー子だ、充分あり得る話である。
こんな事でいちいち腹を立てていたら、血管がもろくなってしまう。
私はそれを閉じてテーブルの上に戻し、劇場の方を持ってきた。
こちらも入ってない覚悟をしたが、こっちはちゃんと入っていた。
ディスクを取り出し、コンポのCDトレイを開く。
げ。
中からベートーベンのCDが飛び出した。
ちょー、待った、これーEE:AE5B1
私は片手にフォールアウトボーイ、片手にベートーベンを持ってその場でぐるぐる回った。
ベートーベンのケースはどうした、ああっ、そうだった、中身が入ってないとは知らず、昨日音楽室に持って行ってしまったのだった。
でもこのままでは両手がふさがって、何もできない。
うー、ベートーベンが先か?フォールアウトボーイが先か?
鶏と卵の関係のようになっているじゃないか。
難しいので、空になっているフォールアウトボーイのケースにベートーベンを入れた。
この現象、実はゲームソフトで良く起こるのだが、何度言っても改まらないのでダンナが激怒している。
彼はA型のきちんとした人間なのである。
犯人はぶー子が圧倒的に多いが、それは私が単にプレステからネットゲームに移行したからであった。
なのでこの頃は、ぶー子ばかりが叱られるターゲットになっている。
コンポの操作はすぐに分かった。
「CD」と書いたボタンがあったからだ。
難なくCDリスニングをクリアし安心して聴いていたが、いつまで経ってもCDが終わらない事に気付いたのはずいぶん時間が経ってからだ。
いやに長いCDだ、最近はこういうものなのか、とコンポを覗き込むと、どうやらリピートになっていたようである。
コンポ活用、まだまだ先は長い。