いつの頃からか、私はその声を聞いていた。
始めのうち、それには答えていた。
挨拶みたいなものだ。
気にするな、大丈夫だ、と。
しかしその声は、止む事がなかった。
次第に鬱陶しくなる。
やがて私は無視するようになった。
そのうち声もどんどん大きくなり、気がつかないふりも不自然になってきたが、あえて無視し続けた。
私はその声が、何か大切な事を言っていると感じてはいたが、それは、気づいてしまいたくない類なものである事も感じていた。
わかってる、でもまだ今じゃない。
しかし私はどこかで怯えているのだ。
その声は正しい。
それを私は二十年に渡って無視し続けてきたのだ。
気がつかないふりをし、そ知らぬ顔で繰り返してきたが、実は正面から向かい合うのが怖いのである。
その声は、私自身である。
聞こえなくても危機感は伝わってくる。
「もういい加減にしてくれませんかのー。」
すみません、今日だけ・・・。
「もう飲みたくないんすけどねー。」
ハイハイ、知ってます。
もうダルダルで体調、最悪ですから。
言い訳をするなら、それは冷蔵庫の中身である。
週末に食べようと思って買っておいた食材が、ビヤホールとピザで保留になっていた。
週末に食べようと思っていた=酒と一緒に食べようと思っていた、である。
そんなおかずを酒ナシで食えるかっての、てやんでー。
飲み過ぎで喉は痛み、体がダルい。
しかし私は知っている。
ちょっと飲みさえすれば、そんなものはどこかに飛んでいってしまうのだ。
なんかアル中みたいだな(笑)
まぁ明日から頑張ります。
君は今日まで頑張ってくれ。