人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

ヒヨドリのヒナを保護したら

たった半日のぴーちゃんとの時間だったが、私は彼女を生かすために、必死でネットで情報を引き出した。

ハッピーエンドで良かったが、同じようにヒナを保護する人の多いことを知り、私が助けられたように、今度は私が誰かを助けてあげることができたら、と思ったのだ。

そこで私なりのマニュアルをまとめてみたので、緊急時の参考になればと願う。

基本、手を出すな、と言われるが、保護したいには経緯があるはずだ。

私もそうだったが、道路が危険、親が見当たらない、猫やカラスがいる・・・。

親がいるなら、安全な場所に移して様子をみるべきだろう。

一見、ヒナが飛べなくて可哀想なように見えても、それは飛ぶ『訓練期間』であることが多いようなのだ。

ちゃんと親鳥は見ている。

困っているのではなく、訓練をしているのだ。

それを「巣から落ちた事故」と勘違いするケースが非常に多いらしく、実は私もこのケースだったのだが、「誤認保護」という言葉もできていた。

特に私がつれて帰った「ヒヨドリ」は巣立ちが早く、最初は飛べないらしい。

野鳥写真家のCyber氏からもらったコメントにもあったが、それでもちゃんと親はせっせとエサを運んで世話をするから、心配はいらないらしい。

しかし、例外もあるだろう。危険が迫っている場合だ。

これも親にできるだけ早く返す前提での保護が望ましい。

私の場合、カラスが親を追い払った、夜になり親が姿を見せなくなった、気温が下がる事が予想された、という状況で保護をしたが、動物病院も野鳥保護協会の方面も、NGを出すだろうところだ。

私は動物病院に指示を仰いだのだが、1軒はモゴモゴと歯切れ悪く「原則としては・・」を繰り返して、保護に反対した。

結果的にいい方に転がったから言えるのかも知れないが、朝、庭に出てヒナが死んでいたら、私はものすごく自分を責めることになったと思う。

それが自然の摂理というが、目の前の命を生かしたいと思う事が、それほど自然の摂理に逆らう事なのか、私には正直、理解できない。

ヒナが自然に帰れなかったら、私はずっと面倒をみる覚悟はできていた。

逆にその覚悟がなければ、保護はしないほうがいいのかもしれない。

途中で放り出すなら、手を出さないべきだろう。

前置きが長くなったが、ヒナに必要なのは「保温」、「栄養」だ。

特に保温は重要である。

ヒナの大きさや種類にもよるが、体温は40度ほどもあり、人間の体感温度で判断すると、ヒナには寒い。

ヒナが小さいほど温度を高く保つ必要があるが、最低でも30度。

エアコンでは上がりきらないので、ヒナの入っている入れ物の中にお湯の入ったペットボトル(ホット用を使わないと、熱湯だと溶けるので注意。風呂のお湯程度ならコールド用でもOK)をタオルなどで包んだものを入れたりして温度を上げる。

暑すぎた場合の逃げ場もあるとベター。

保温も兼ねられるように、ちぎった新聞紙などを敷き詰めるといいらしい。

私は何となく新聞の印刷が体に悪そうで(そんなことはないだろうが)、トイレットペーパーをたっぷり敷いた。

汚れたらそのままトイレに流せるので、オススメだ。

入れのものの上にタオルをかぶせて、さらに保温。

隙間も作っておくように。

エサはペットショップで売ってるすり餌。

水でのばしてドロドロにしたものを、シリンジで喉元に流し込む。

ない場合は割り箸でヘラを作ったり、ストローを斜めに切ってみたりと色々方法はある。

いずれにしろ角を尖らせないように注意だ。

生餌も必要なようだったが、売っているところが近所になかったのだ。

次の日に遠い方のペットショップまで買いに行こうと思っていたのだが、親元に帰ったので必要なくなってしまった。

ミルワームというものが一般的なようだ。

ただ、鳥の種類や成長具合によって内容は変わってくるので、それは調べなくてはならない。

生後1週間前後のヒヨドリのヒナだと、メインをすり餌・時々ミルワーム、ぐらいなようだ。

トマトや甘い果物も好きなようだが、こちらも調達する前に去ってしまった。

なかなか口を開けてくれないこともあるようだが、そうなったら指でこじ開けてでも食べさせなくてはならない。

力の入れすぎに注意。

目の前に手をかざしたり、体の回りをごそごそしたりするとパカッと口を開けることがある。

少ないチャンスなので、片手でエサを用意して、ヒナをそのように刺激してすばやく食べさせられれば、そのうちヒナも学習して口を開けるようになってくる。

日が暮れると活動しないようで、夜明けまでエサはお休み。

部屋も暗くして静かにしてあげよう。

夜が明けてからのエサやりは、首の周りにある小さな「そのう」という袋が膨れるまで与え、それがしぼんだら与える、の繰り返しだ。

そのうの位置が分からない場合は、軽く息を吹きかけると分かりやすいようだ。

そのうがなかなかしぼまなくても、ちょっと動くとしぼむ事があるらしいので気をつけて。

親鳥はちゃんとヒナのことは覚えているから、何度でも親と分かれた場所にヒナを連れて行ってあげて欲しい。

やっぱり一番上手に子育てできるのは、親鳥なのだ。

可能なら再会させてあげたい。

残念ながら親鳥との再会が叶わない場合は、親鳥に代わって頑張って下さい。

どんな動物でもそうだが、手をかければ掛けた分だけ可愛さもひとしおだ。

ぽ子も陰ながら応援しますEE:AEAAB