私が彼らのこの曲を聴いたのはディスコであった。
恐らくちょっと違った方面から入ってしまったようだが、なぜかこの曲が良くかかっていたのだ。
ディスコでかかる曲というのは大きく分けて、「ヒットチャートに入っているようなメジャーな曲」と「ディスコでしか聴けないような曲」に二分される。
後者は正確なタイトルを知るのも困難で、友達からの情報だけが頼りと言っても良かった。
そんな状況下でこの曲が、隣の兄の部屋から流れて来たので驚いた。
この曲は、私の中では後者の「ディスコでしか聴けないような曲」に分類されていたのだ。(後で知ったのだが、実際にはシングルチャートに入るほどのメジャーな曲であった。だから兄が持っていたのだ。)
ザ・クラッシュ。
イギリスのパンクバンドである。
私は喜んでアルバムごと借りて聴いてみたが、残念ながら気に入ったのはこの曲だけであった。
やはりディスコのような刺激的な場所で刷り込まれた、特殊な感情があったのかもしれない。
ギャンギャンとがなりたてるギターの音に、軽快なピアノサウンドが絡む。
搾り出すようなヴォーカルはパンクそのものである。
一度カラオケで歌ったが、歌うものではない(笑)
シンプルな構成だが、1コーラス目、2コーラス目と少しずつ変化があるので飽きる事がない。
こういった攻撃的なサウンドには麻薬のような魅力がある。
自分の中の鬱屈した何かが共鳴するのだろうか。
酒に酔ってこの曲で踊るのも、あながち間違ってはいなかったのかもしれない。