人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

天女の囁き

どうやら睡眠薬である、アレロック。

「明日の朝はこれを食べるからいいよ。」

ダンナは自分で買って来た冷凍ピラフを指して言った。

・・・それを「明日の朝は起きなくていいよ」と解釈し、酔いもあって、もう好きなだけ起きて飲んで遊んでから寝ようと決めたのだった、昨夜。

しかし眠くて眠くてたまらないのだ。

2時まで頑張ったが、結局ゲームはやらずに寝た。

昨日ダンナは娘ぶー子と三国無双をプレイし、どうせ疲れて寝るだろうと思っていたら私のガンダム無双にもとことん付き合ってくれた。

「どうせガンダムやる頃には疲れて寝ちゃうじゃん!!」

遊んでもらう順番がぶー子の後になり、散々すねてごねた甲斐があったというものだ。

なのでゲーム的には思い残す事はないが、酒を飲んでるのにあんなに眠くなるなんて、もう薬のせいだとしか思えない。

あの医者は気前良く1ヶ月分薬をくれたが、それは1ヶ月、文句を言わずにこれを飲めという意味でもある。

もうきっとあの医者、お手上げなのだ。どの薬も効かなくて。

というかそもそも手持ちのキャパが少ないのだ。

大抵どこの病院でもそうだが、製薬会社との癒着を感じないでもないぽ子である。

しかし悪い事ばかりではない。お陰で昨日はグッスリ眠れた。

寝た時間が遅かったから寝不足ではあったが、酒抜きでストンと眠れるなんてなかなかあるもんじゃない。

寝不足が続くと目が覚めた時に反射的に「昨日はすぐ寝れたっけ?」と考えるようになるが、「よっしゃ~~~!!」という感じである。

しかし薬の効果は続く。

花粉症の症状をできるだけ長く抑えることが目的なのだ。

朝晩の1錠ずつで、丸1日、効果がみられるはずだ。

つまり、丸1日、眠いのだ。

仕事に行った。

立ち仕事だったので眠気は免れるかと思いきや、立ったままもう眠いったらない。

こういう状態を普段「天女に呼ばれる」と言っているが、天女が平日の立ち仕事中に現れるとは驚いた。

いらっしゃい・・・、いらっしゃい・・・と彼女は手招きをする。

それと連動して私の頭が前後する。

ヤバい、倒れる、と何度思ったことか。

休憩前に10分程時間が余ってしまったので、座り仕事をしている上司アンガを手伝おうと思い、その前に座った。

彼は黙って顔を上げたが、その表情を一目見て天女に魂を抜かれている事がわかった。

私もあんな顔で仕事をしていたのだろうか。

仕事が終わっても、まだまだ眠気は抜けなかった。

眼球の周りを発泡スチロールで包まれている感じだ。

もう立っているのも辛い。

帰るなりソファで目を閉じる。

しかし今日もメールに起こされるのだ。

そんな繰り返しも日常になってきた。

諦めて起きるのである。