九州滞在、2日目である。
私達が九州に滞在しているのではない。
九州、つまり九州に住むダンナの両親が、我が家に滞在しているのである。
今回もいつものように2泊だが、本当にもうぽ子には2泊が限界である。
・開き直りや粗相は許されず、
・価値観や常識の大きく違う目上の方を、
・快適に過ごしていただく。
・・・などという事は、私のようなだらしのない人間には、もの凄く努力を必要とするものなのである。
部屋の片付けなどは少しずつボロがでているのでまぁ開き直りつつある部分だが、それでも「ヤバい、こんな事もしてないと思われたくない」という見栄はしっかりあるので、四六時中ビクビクしている。
例えば、壁紙や障子が猫によってボロボロにされているが、これはもう諦めた。
エルのせいなのだ。
しかし、布団がカビ臭いとか、皿に汚れが残っていただとかいう事態は避けたい。これは明らかに私のせいだからである。
ところが私自身は布団にカビが生えてようが皿の端に猫のゲロがついてようが、全く平気なのだ。
なので、急に客に来られるとカビだらけゲロだらけ(これは例えである、一応)を全て一般家庭レベルにまで持っていくことは不可能なのである。
私には毎日の仕事がある。
それにはゲームやピアノギターや二日酔いで寝ている時間も含まれるので、優先順位をつけるとどうしても自分が耐えられるカビやゲロ(例えである)は後回しだ。
後回しという事は「いつかやる」という意味を含んでいるのがクセモノだ。
それを免罪符に、私は「後回し」にしているわけだ。
ちなみに彼らは急に来たわけではない。
そう言う意味では開き直っている部分もあるのだろうが、恥じ入るレベルが猫の爪とぎ跡とは全然違うものがある。
それは、原因が「猫」ではなく「自分」だからだが、たとえば毎日など絶対しない風呂掃除を「今やる?」などと聞かれると、私は非常に焦る。
洗い物もすぐ洗う。
休日だがフル朝ご飯を作る。
ぽ子、限界である。
そして、我が家には彼らの娯楽がテレビしかないので、時間が余るとまた焦ってしまう。
テレビを与えて放置では、ネグレクトになってしまう。
しかし我が家の娯楽はゲームばかりで、結局テレビを観るより他はない。
今朝、ダンナはダイニングの小さなテレビで昨日のF1の録画したものを観ていた。
義父母は隣のテレビを適当にチャンネルを変えながら流していた。
すると、「お?お~~い、何かF1やってるぞ!!」とテレビを観ていたお義父さんがダンナに声を掛けたので「F1]という言葉につられてダンナはそのテレビ画面を観てしまったのだが、
それは昨日のレースで「ルイス・ハミルトンが優勝した」というニュースであった。
ダンナは「ああっ、やめて!!」と悲痛な声を上げ、耳をふさいで正面のテレビに顔を戻した。
「やめて!!やめて!!やめて!!」とダンナが連呼するのでやっとこの事態に気付いたお義父さんが笑いながらチャンネルを変えたが、どこまでわかってしまったのだろう?
「ハミルトンが、優勝、・・・できなかった」というニュースかもしれないと言い聞かせて凌いだと後から聞いたが。
夜になった今、彼らはテレビを観ている。
すみませんね、何にもなくて・・・。
ゲームならたくさんあるんですがね。
その横で私達は、いつものように飲んでいる。