3年前と同じ事が起こっている。
我が家には受験生がいる。
3年前にも受験生だった、高校3年生のぶー子である。
あの時は大変だった。
3年後も大変である(泣)
今日は3者面談であった。
ぶー子は志望校すら決まっておらず、かといって行動する気配もなく、親としては大いに焦っていたし、ぶー子にも焦ってもらいたいところである。
しかし3年前と同じように、せっついても動かず、放っておいても動かず、まるで大仏のように構えているぶー子が非常に心配である。
夏休みは終わる。
何もしなかった。こんなもんなのか?受験生とは。
「こんなに持って来ましたからね。」
まず先生はブ厚い学校ガイドを何冊も見せ、最初にそうプレッシャーをかけた。
そして彼も、「焦って下さい。」と苦笑いをした。
やはり遅かったのだ。
先生もこの夏休みを無駄に過ごした事を大変悔やんでいた。
私も悔やんでいるが、お手上げである。
何をしたらいいのかがわからないのだ。
「もう志望校を絞らないと・・・。」
ハイハイハイハイ、私もそう思いますよ。
ただね、そこから先がわかんないんですよ。
先日、学校ガイドのようなものを買ってみた。
学校にあるようなブ厚いのはダメだろうから、「お遊びMAP」や「カップル事情」などの載った、まさにぶー子向けのチャラチャラしたものだ。
しかし、結果的には失敗だった。
レベルの高い有名校ばかりだったのだ。
高校中退のぽ子には、有名校がどこすらも良くわかっていなかった。
じゃあどうやって学校を選ぶのかとなると、これが途方もない。
山ほどある大学の山ほどある学部の中から選ぶ。
しかしその学校は通える範囲にあるのか?
レベルはどうなのか?
これらを網羅している本はブ厚いし、薄ければ情報が少ない。
「ぶー子は何を勉強したいの?」と聞いても、親子揃って世の中にはどのような学部があるのかがわからない。
そのうち「面談で先生に聞こう。」と言う所に逃げるようになった訳だ。
「この通り、放っておくとノンビリしてしまうので、志望校を決める締め切りとかを決め・・・、」
「大至急です!!」
穏やかな笑顔だが、先生は断固として言った。
そして学校ガイドを繰る。
「女子大、論外。」
「おっ、ここ男子すげー多いじゃん!!」
担任が優しい先生なので、ぶー子はまるで家にいるごとく「素」になっている。
「おおっ!」
どうした、どこか気に入った学校があったか??
「すげえ!!大に挟まれてる、これ!!」
ぶー子の指差す先を見ると「大阪国際大学」となっていた。
「プール大学だって。ププ。」
真面目にやんなさいッ。えっ、プール??
「プールの勉強か。すごいな。」とつい私も我が家にいる時のようになってしまった。
「おっ?食いついたな(笑)」
「フェリスとかお嬢さまっぽいぞ。」
「やっぱカタカナ強いね。」
「おっ、ここにもカタカナ発見ッ!!」爆笑。
そうなのだ。
悪いのはぶー子ばかりではないのだ。
私も親として非常に欠けているし、それがぶー子に影響していることは否めない。
高校受験の時もそうだった。
私は学校見学すら行かずに、入学してからあの学校を見てぶったまげて後悔したのだ。
その学校を選び出すまでもぶー子は、私の時代には学区外だった23区の遠い遠い足立の学校を「偏差値が低い」という理由で行きたいといい、
それを何とか諦めさせたら「定時制がいい」といい、次には「近い、偏差値が低い」という理由でこの学校を選んだのだ。
まぁ悪い事ばかりでもなかった。
ぶー子はこの学校で思う存分羽目を外し、自分なりの価値観を作り上げた事だろう。
私もぶー子を見誤ってた部分があったと気付いた。
つまりぶー子は、私の娘なのだ。
18歳、私は何をやっていた?
それに比べればぶー子、優等生じゃないか。
子育ては親育てと言うが、その通りである。
この受験も悔いが残るかもしれないが、ぶー子を信じて委ねたいと思う。
そして今日は先生の力を借り、予定よりも40分も面談の時間をオーバーして志望校をピックアップした。
「青山学院大学」という文字も収めたそのノートに、ぶー子が通う事になる大学の名前はあるのだろうか。