人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子56歳。

大至急です!!

3年前と同じ事が起こっている。

我が家には受験生がいる。

3年前にも受験生だった、高校3年生のぶー子である。

あの時は大変だった。

3年後も大変である(泣)

今日は3者面談であった。

ぶー子は志望校すら決まっておらず、かといって行動する気配もなく、親としては大いに焦っていたし、ぶー子にも焦ってもらいたいところである。

しかし3年前と同じように、せっついても動かず、放っておいても動かず、まるで大仏のように構えているぶー子が非常に心配である。

夏休みは終わる。

何もしなかった。こんなもんなのか?受験生とは。

「こんなに持って来ましたからね。」

まず先生はブ厚い学校ガイドを何冊も見せ、最初にそうプレッシャーをかけた。

そして彼も、「焦って下さい。」と苦笑いをした。

やはり遅かったのだ。

先生もこの夏休みを無駄に過ごした事を大変悔やんでいた。

私も悔やんでいるが、お手上げである。

何をしたらいいのかがわからないのだ。

「もう志望校を絞らないと・・・。」

ハイハイハイハイ、私もそう思いますよ。

ただね、そこから先がわかんないんですよ。

先日、学校ガイドのようなものを買ってみた。

学校にあるようなブ厚いのはダメだろうから、「お遊びMAP」や「カップル事情」などの載った、まさにぶー子向けのチャラチャラしたものだ。

しかし、結果的には失敗だった。

レベルの高い有名校ばかりだったのだ。

高校中退のぽ子には、有名校がどこすらも良くわかっていなかった。

じゃあどうやって学校を選ぶのかとなると、これが途方もない。

山ほどある大学の山ほどある学部の中から選ぶ。

しかしその学校は通える範囲にあるのか?

レベルはどうなのか?

これらを網羅している本はブ厚いし、薄ければ情報が少ない。

「ぶー子は何を勉強したいの?」と聞いても、親子揃って世の中にはどのような学部があるのかがわからない。

そのうち「面談で先生に聞こう。」と言う所に逃げるようになった訳だ。

「この通り、放っておくとノンビリしてしまうので、志望校を決める締め切りとかを決め・・・、」

大至急です!!」

穏やかな笑顔だが、先生は断固として言った。

そして学校ガイドを繰る。

「女子大、論外。」

「おっ、ここ男子すげー多いじゃん!!」

担任が優しい先生なので、ぶー子はまるで家にいるごとく「素」になっている。

「おおっ!」

どうした、どこか気に入った学校があったか??

「すげえ!!に挟まれてる、これ!!」

ぶー子の指差す先を見ると「阪国際学」となっていた。

「プール大学だって。ププ。」

真面目にやんなさいッ。えっ、プール??

「プールの勉強か。すごいな。」とつい私も我が家にいる時のようになってしまった。

「おっ?食いついたな(笑)」

「フェリスとかお嬢さまっぽいぞ。」

「やっぱカタカナ強いね。」

「おっ、ここにもカタカナ発見ッ!!」爆笑。

そうなのだ。

悪いのはぶー子ばかりではないのだ。

私も親として非常に欠けているし、それがぶー子に影響していることは否めない。

高校受験の時もそうだった。

私は学校見学すら行かずに、入学してからあの学校を見てぶったまげて後悔したのだ。

その学校を選び出すまでもぶー子は、私の時代には学区外だった23区の遠い遠い足立の学校を「偏差値が低い」という理由で行きたいといい、

それを何とか諦めさせたら「定時制がいい」といい、次には「近い、偏差値が低い」という理由でこの学校を選んだのだ。

まぁ悪い事ばかりでもなかった。

ぶー子はこの学校で思う存分羽目を外し、自分なりの価値観を作り上げた事だろう。

私もぶー子を見誤ってた部分があったと気付いた。

つまりぶー子は、私の娘なのだ。

18歳、私は何をやっていた?

それに比べればぶー子、優等生じゃないか。

子育ては親育てと言うが、その通りである。

この受験も悔いが残るかもしれないが、ぶー子を信じて委ねたいと思う。

そして今日は先生の力を借り、予定よりも40分も面談の時間をオーバーして志望校をピックアップした。

「青山学院大学」という文字も収めたそのノートに、ぶー子が通う事になる大学の名前はあるのだろうか。