人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子56歳。

それでも成長はする

もう水曜日じゃないか。

先週、目覚し時計の調子が悪い事に気付いたが、まだそのままにしているために、今週も毎朝寝坊している。

とりあえず電池を取り替えようと、やっとリビングに持って降りた。

しかし、ここからがまた、長い予感がする。

やっと酒が抜けた。

真っ当な1日を過ごそうと思うのだが、その中の予定にはピアノギターゲームももれなく含まれている。

さすがに二日酔いでやる気がない日に、好きなことだけやるのには気が引けるのだ。

今日はやるぞ。

まずは音楽室に行く。

我ながら何をトチ狂ったか、現在は「結婚行進曲」の練習をしている。

派手な和音が多く、ボリュームを上げて鍵盤を叩き鳴らすと「バカじゃないか」という気持ちになる。

梅雨時の午前中である。

ギターはまだCだのGmだのを弾いている。

つまり、初めての課題の「ドレミファソ・・・」の次に出された4つの和音を、まだ弾いているのだ。

毎回「ドレミファソ・・・」を2、3回弾き、おもむろにCをジャーンと鳴らす。

つまらないのでトータル5分ほどで腹を立てて止めにするが、驚く事にこんなんでもちゃんと成長する。

ものすご~くその歩みは遅いが、全く音が出なかったコードが、嘘っぽい音で鳴るようになってきたのだ。

しかしその嘘っぽいコードひとつに何ヶ月かかってるのだ。

私の目標はデパペペである。

しかもウォーミングアップのドレミファコースも、ある時はソが鳴らず、ある時は別の弦を弾き、だいたい往復で半分も弾けていない。

ここから東村山まで歩くとしたら、村高あたりまでしか歩いてない状態だ。

正直つまらなくなってきた。

しかし講師であるダンナもダンナで、こんなの放置もいいところじゃないか。

そりゃ頼んだのは私でダンナはやりたくてやってるんじゃないだろうが、私はサボッてる訳でもやる気がない訳でもなく、律儀にドレミと4つのコードを1日2回、毎日やっているのだ。

私はバカか?

人に見られたくない光景である。

一方娘ぶー子は、手違いで文化祭のバンドを2つ掛け持ちする事になり、泡食っている。

「今週中にこの4曲ね。」と一方的に音源と譜面を渡され、怒り狂っていた。

昨日のぶー子の怒りの源はこれである。

ぶー子は全くの初心者ベーシストである。ベーシストとはいえない。単なるベース所有者である。

しかも正確に言えばそれはぶー子のものではなく、私のものだ。

しかし私がアホのように結婚行進曲を弾き、CやGmを嘘っぽく弾いている裏で、彼女は汗水流してベースを練習している。

世の中、不公平だのー。

しかし今回はちゃんと領域を守り、私はアホのようにピアノギターを弾くだけである。