昨日の夜の事だ。
私はまた散々飲んで酔っ払っていた。
ダンナはお笑い番組をひとりで見ていた。
ひとりで退屈していた娘ぶー子は、暇つぶしにテレビでも見ようと思ったのだろう。
リモコンをテレビに向けた。
その時画面に現れたのは、フィギュアスケートのジャパンオープン2008であった。
ところで、我が家にフィギュアスケートなど好んで見るものはいない。
私は嫌いではないが、恐らくぶー子にとってはバレエだとかオペラだとかと同じグループに属し、それは笑いの対象にすらなり得るものであった。
なのでぶー子のリモコンを持つ手はすぐに垂直にテレビ画面に向けられたが、突如「ええっ!?」と言って体を乗り出した。
「なにこれ、この人、すっごくカッコイイんですけど~♪♪」
それからは釘付けである。
ぶー子は恐ろしいほどの面食いだ。
身の程知らずもいいところだが、顔さえ良ければ何だっていい的なところすらある。
で、今回の餌食はアドリアン・シュルタイスという、まだあどけなさを残した少年である。
「この顔はスウェーデンだわ♪」
彼女曰く、世界で一番美男子が多いのはスウェーデンである。
鼻、高すぎず、彫り、深すぎず、しかししっかり外国顔。
ところが本当にこの少年がスウェーデン人だとわかり、ぶー子はますます熱くなっていく。
携帯をカメラモードにし、テレビ画面に接近してチャンスを待つ。
「エイドリア~~ン!!」それはロッキーである。
そしてとうとう、最後まで番組を見てしまった。
恐るべし、美少年の力。
こんな調子であるから、ヴィジュアル系のバンドにも弱い。
目下お気に入りは「プラスティック・トゥリー」の有村竜太郎(変換が一発で出た。ぶー子の痕跡を感じる)という人物だが、マイナー過ぎてわからない。
そんなにカッコいいか??と言うのが正直な感想だ。
カッコいいと言うのは、こういうのを言うのだ。
今や有名なラルクのハイドだが、画像をここに貼るために探していたら、2chと思われるサイトの「ウィキペディアのラルクの項にハイドの身長は156cm、と書くと数時間以内に消される」というものを見つけてしまった。
これがもう死ぬほどおかしくて、腹を抱えてひとりで高らかに笑ってしまった。
これはもう、ぜひ一人でも多くの方に見てもらいたい。
笑いたい方は、先程の茶色い字のタイトルをクリックして下さいませ。
ひとりで爆笑していたら、ぶー子から電話が来た。
珍しいことだ。
電話を取ると、泣いていた。
また、猫が轢かれていたと言うのだ。
しかし前回よりは強くなったのか、ひとしきり迷ってから、家まで帰って来た。
ところが私の頭の中は「ラルクのハイドの身長は・・・」と渦巻いている。
何とか深刻にならねば、と気合を入れたが、その必要はなかった。
「え?ブログにカッコいい人載せんの??なんだ、だったらもっといい写真あるのに。」と携帯をいじり出した。
「カッコいい人ならいっぱいいるよ~。今私のお気に入りは、有村クンでしょ、ガゼットでしょ、市原隼人でしょ、三浦春馬でしょ、あと二宮・・・。」
もういい、もういい。
そして早速ハイドのネタを見て笑っていた。
「こうやって立ち直りが早くなっていく自分もイヤだよね・・・。」
しかし小声でそうつぶやいたのが聞こえた。