「行くぞ!!」
う、眠い。もう朝か。
何でいつも、夜寝るときは「早起きなんてチョロイ」と思って寝るんだろう。
チョロかった試しがないじゃないか。
でも言いだしっぺは私だ。起きなくては。
行き先は秩父だ。一面に咲き誇る芝桜のじゅうたんを見に行くのだ。
コンビニで朝ご飯を買って、レッドアローで食べようと言っていたのだが、所沢で特急券売り場に行くと満席であった。
し、芝桜・・・!?
周りを見ると、リュックを背負った高齢の夫婦や子供連れのファミリーがたくさんいる。
皆、芝桜を見に羊山公園に行くのだ。
こんな世界があったなんて、知らなかった。
去年の私は今頃、二日酔いで死んでいただろう。
電車を1本遅らせた。
時間が余ったので、駅のスタバで時間つぶしだ。
野菜のたっぷり入ったサンドイッチとキャラメルマキアート。
朝飯の前の食前食だ。いっくらでも入るぞ、フフン。
レッドアローでおにぎり食べたら、眠くなって寝てしまった。
外の風景を楽しむつもりが、窓際をぶんどって横瀬に着くまで寝ていた。
田舎道だった。
これはウォーキングというよりハイキングだ、マイナスイオンだ、と盛り上がったがすぐに着いてしまった。
しかも思ったより小さな公園だった。
ちょっと早かったか、まだ咲いていない部分も多かったのが残念。
あっと言う間に見終わってしまった。
混雑を予想して先に帰りの特急券を買ってしまったが、3時まで時間、潰せるだろうか。
遠回りして駅に向かったが、全く時間が余りきっている。
歩数を見るとあまり稼げていない。
しかしこの疲れ。
アップダウンがそこそこあったので、距離は少なくても疲れるのだ。
「・・・もう帰るか・・・。」
ハイ、もう帰って飲みたいです。
こうして帰りのレッドアローでも爆睡し、帰って来たのだ。
家に着くとソファに座り込み、動けない。
ダンナは帰りのスーパーで買ったつまみを冷蔵庫にしまい、猫にご飯をあげる。
そういえば娘ぶー子はどうしたっけ??
ご飯の用意もせず、寝ているぶー子を置いて出てしまったのだ。
メール、メール。
携帯を開けると「帰って来たらTSUTAYAいこ♪」というメールが来ていた。
ゲ、見てしまった。
振り向くとダンナはビールを持ってこっちに向かっていた。
一応私はこのメールを読んでダンナに伝えたが、そのせいでビールを持つダンナの手が止まってしまった。
あぁあと一瞬、一瞬遅ければあの缶は開いていた。
ビール、延期。
レンタルが半額だと言うのでクーポンをプリントして持って行ったが、相変わらず借りるのは私とぶー子ばかりだ。
半額だってタダではないのだが、ここぞとばかりに放出ならぬ放入だ。
「あの・・・、これはDVDにしか使えないのですが・・・。」
いざレジに行ってプリントした紙を見せると、店員は言いにくそうに言った。
確かに良く見ると「DVDのみ」と書いてある。
ひぇっ、やっちまった。
しかし、「じゃあいいです」と言うわけにもいかず、頭の中ではぽ子の旧型の小さなコンピューターがカチャカチャとフル回転していた。
10枚である。
半額だと思って払うつもりだったものを、「じゃ仕方ないね」と正規の料金でサラッと払える額ではない。
「でも今ならキャンペーン中ですので、5枚1000円でやっています。」
おおっ、助かった!!
よく見るとあちこちにポスターが貼ってあった。
「新作もOK!」く~、分かっていたら新作も借りたのに!!
ギリギリのところで助かった事などすぐに忘れてしまうぽ子であった。
家にかえると宴の準備だ。
時間が遅くなってしまったので、ダンナは風呂に入るといって風呂場に消えた。
その間につまみの準備をした。
準備と言っても買ってきたものを並べるだけである。
団子をパックのままテーブルの上に置いておいたら、エルが興味津々に寄ってきて、クンクン匂いを嗅ぎだした。
猫が団子??
あまり気にせず放っておいたら、ガブリとパックに噛み付いた。
これはいけない、私はパックをスーパーの袋に入れて包んで置いたが、それでも執拗に噛み付いてくる。
仕方なく私は片手に団子のパックを持ってブログの更新作業を始めたのだが、ついて来てしつこく団子パックに襲い掛かる。
その時私の指に激痛が走った。
大声を上げたので、エルはたじろいで退いた。
指を噛まれたのだ。団子パックだと思ったのだろう。
これまでエルとは、手を犠牲にしてずいぶん遊んであげてきたが、どんなに噛まれても蹴られても引っかかれても、こんなに痛かった事はない。
あれでもかなり痛かったが、エルなりに気を使って抑えていたのか。
親指に開いた穴からは血が出てきた。
しかし、エルがしつこく食べたがっただけあり、団子はうまかった。
そしてビールもまたおいしい。
・・・始まる。