前の晩は10時に起き、12時に乾杯、寝たのは3時半であった。
娘ぶー子はいつも通りに家を出るから辛抱して起きたけど、朝ご飯が何もない。
仕方なく昨日は冷凍ピザである。
ぶー子が出かけるとすぐにベッドに戻るが、いいところで携帯が鳴る。
あれ?アラームの時間を間違えたかと思ったが、ぶー子である。忘れ物でもしたか?
「もしもし?」寝ていたことを悟られないように元気に出たが、ぶー子はなんと、泣いていた。
転んだか?変質者?どうしたと聞いても、泣きじゃくって要領を得ない。
「・・・が、死んでて・・・。」
・・・・・・。
これは当分寝れないと私は悟った。
道端で子猫が死んでいるというのだ。
以前車に轢かれた猫が目の前で清掃車に連れ去られるという事態になり、大変心を痛めていた。
その時私は「今度からは私を呼んで」ととりあえず言ったが、まさかその今度がこんなに早く来るなんて。
まぁ子猫ならなんとかなるか。タオルか何かで包んで・・・。
着替えをしていたらまた電話があり、その場に居合わせたおじさんがちゃんと埋葬してあげるよ、と言ってくれたそうで助かった。
ところでここでは「埋葬」と書いたが、実際にはぶー子は「いける」と言った。
「おじさんがちゃんといけてくれるって・・・。」
いける?なんだそりゃと思ったがぶー子は真剣に泣き語っているので、「そう、おじさんがちゃんといけてくれるんなら良かったね。」などと言っていたが、いけるって何だろう??捨てるって意味じゃねーだろーなぁ。
すっかり目が覚めてしまったが、こんな寝不足では後が続かない。とにかく寝よう。
しかし。
私は窓を全開にして寝ていたが、向かいの家の声が筒抜けである。
向かいの奥さんはまだ若い元気のいい奥さんだが、もの凄い早口でまくしたてるように喋る。
時々機関銃のように怒り狂っていることがあるが、迫力である。
あんなの、絶対に言い返せない。
隙もないし闘争意欲も完全にそがれる。
奥さんの圧倒的な勝利である。
ちなみに怒られているのは子供なのかダンナなのか、今もって謎である。
寝た気がしないまま時間になり、ぶー子の学校に向かう。
去年は文化祭など行かなかったが、今年はダンス部の方で出ると言うので行く事にした。
暑いのー。
向こうでサリー一家と合流したが、彼らの顔がビールに見えた。
お恥ずかしい事に、学校に来るのは去年の入学式以来である。
それにしても薄ら汚い荒れ果てた学校である。
同い年のサリーの娘まーこっちがきちんとした私立に通っているので、こっ恥ずかしい事この上ない。
汚いだけでなく、教室を覗くと生徒の荷物が乱雑に散らばっている。
すんません、こんな学校にお呼びたてして。
体育館は蒸し風呂状態であった。
一体いつの時代が来たら公立の学校に冷暖房が完備されるのだろう?
しかしダンスはおもしろかった。ぽ子はダンス見るのが好きなのである。
後は特別見てまわりたいような物もなく、下手なバンドをちょっと見て、ぬるいジュースを行列して買っただけであった。
「・・・で、どこにしようか?(笑)」
昨日の事を振り返ってみると、どう考えてもメインはこっちであった。
近くのファミレスに入ったが、こういうところは酒が薄いのが常だ。
よってカポカポ煽る結果になり、変に飲み過ぎてしまった。
次に移る前にもうベロンベロンである。
すでにこのあたりから記憶が怪しい。
ところでここで飲んでいる時に、自分達が若い頃には何になりたかったかという話になった。
ダンナはバンドをやりたかったから就職活動もしなかったらしい。
誰かに紹介されたか何かで結局簡単に就職が決まってしまったらしいが、真面目に見えるだけに驚きの事実である。
そんな私も高校を辞める時の理由は「バンドでプロになる」である。親の落胆ぶりは計り知れない。まぁメンド臭いから取ってつけたような理由であったのだが。
ところでサリーのは爆笑だ。
ハウスマヌカン。死語である。昨日聞くまでこんな言葉、忘れていた。
どうやら親がわからないような職種を思いつきで言ったらしいのだが、サリーがそっちの方面に興味があったような話は全く聞いた事がない。
私が「科学者になりたい」と言うのに匹敵するぐらいだろう。
この後はサリーんとこの店に行ったが、かれこれ1年ぶりぐらいになるだろうか。
12時近くまでいたようだが、これだけ長居したにも関わらず自分で歌った曲を1曲も思い出せない。
恐らくまた裸足で踊り、走り回ったのだろう、足の裏が真っ黒である。
家に帰ると酔ってダンナと大喧嘩になった。
いつもなら泥酔して記憶が曖昧なので翌日私がひたすら謝っているが、ちょっと待て?
今度のは何となく覚えているが、もしかしたらこれまでだって私1人が悪いとは限らないぞ。覚えてないから謝っていたが。
例によってあちこちアザだらけである。
何があった?
ひとつずつアザの理由が知りたい。