人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子56歳。

『猫の神様』

今日はまじめに書いたぞ。

たまたま検索していて、ウチのエルと同じ名前の子猫を飼っている人のブログをダンナが見つけたのはちょっと前だ。

私よりちょっと年上(じゃないかと勝手に思っているが)の男性のサイトだが、

こまめにあちらのエルちゃんの様子を、おもしろく書いて更新している。

そんな彼が薦めたこの「猫の神様」という本は、序盤から彼を泣かせたらしい。

ぜひ、と薦めていたので私も買ってみた。

新刊で買ったので1200円と、私には超高級本であった。

しかしブックオフで100円になるまでは待てなかった。

彼は「泣けた」と何度も書いていたのだ。

だからこれは可哀相な話に決まっている。

猫の話だ。きっと死んでしまうのだ。

買う前から分かっていて買ってしまうのだから、人間、「泣きたい」という気持ちがどこかにあるのだろう。

映画だってそうだ。

「涙のラストシーン」とか言って、ハッピーエンドで終わるものはあまりないのではないか?

良く覚えているのが「グリーンマイル」だが、とても可哀相な救いようのない話であった。

これだって「泣けるから」と言われて借りた。

薦めた彼女も「泣けるから気をつけろ」と言う意味で言ったのではない。

「泣けるから観てごらん。」「泣けるなら観てみるよ。」

そういう事だ。

彼女の言ったように、映画は泣けた。

無実の罪で、バカほど純朴な男が死刑になるのだ。

「やめて~!!」と言っても無常に映画は進んでいく。

ひどい話だ。

もちろん悪役もいて、そいつが皆が可愛がってるねずみを踏み潰す場面だっていまだに覚えている。

ムナクソの悪いシーンだ。

結局何を言いたい映画だったのだろう?

それでも私は「感動した映画」として「グリーンマイル」を人に薦めるし、観た事を後悔していない。

そして「泣けるよ。」と言う映画をまた観、本を読むのである。

しかし、今回はちょっと後悔している。

身近すぎるのだ。

「飼い猫が死ぬ」。いつか私の身にも起こることだ。

オーバーラップしてかなり辛い。

買ってもすぐには読まなかった。

だいたい読書は出かける時に電車の中か、寝る前だが、出かけるのを待っていたら飛び飛びになってしまうので寝る前にしようと思っていた。

しかし寝る前の読書は「寝るため」のもので、刺激の強いものは避けている。

泣いたその後ですぐに寝れるか?

「猫が死んでしまった・・・。」と悲しい気持ちで電気を消す。

「かわいそう・・・。」

「悲しい・・・。」

「じゃ、寝るとするか。」

と、どこかでパリッと気持ちを入れ替えるなんてできるだろうか?

本を読んだ後に、何か別の本なり雑誌なりを読んで、気分の入れ替えをしたい。

でもそんな時間は続けて何度も持てない。

だからできれば一度で読みきるぐらい時間がある時に読もうと思い、先に娘ぶー子に貸した。

「・・・目が・・・。」

と言って百人一首の絵札の、その当時だったら美しいと言われた姫のような顔で、翌朝ぶー子は起きてきた。

「あの本やばい。これ以上読むと目が開かなくなると思って、昨日は途中で止めた。」そう続けた。

「でも、先も雲行きが怪しくなってきて・・・。」

どうやら「泣きっぱなし」必至のようだ。

次の夜ぶー子は涙でベロベロの顔で本を返しに来た。

「もうこういうの、やだ。」

そうとだけ言った。

これは相当覚悟が要りそうだ。

相変わらず私は寝るギリギリ前まで酒を飲んでいたので、しばらく本には手をつけないでいた。

しかし昨日はちょっと体調が悪く、9時半に布団に入った。・・・チャンスである。

この本を薦めてくれたサイトの主は、気を効かして内容には一切触れなかったが

これは本の紹介でなくぽ子の日記なのでネタバレ全開でいきます。

本に興味を持った方には申し訳ない。

子猫を拾ったいきさつの短いプロローグの後の第1章のタイトルは、

・・・いきなり「葬送」であった・・・。

プロローグの出会いですでに涙していたので、かなりぶったまげた。

迷ったが読み進む。

序盤から悲しすぎる。

「グリーンマイル」なら死刑の場面から始まったようなものだ。

しまいには「うー、うー。」と不気味な声を出して泣いた。

飼い主は、当時30代の男性である。

彼は死んでしまった「ぎじゅ太」といつものように飲んで撫でて過ごし、一緒に寝て最後の夜を明かした。

そして次の日荼毘に付すと、残されたプライド高き兄猫を膝に抱いて号泣するのだ。

猫が死んだ事実も悲しいが、この、独身の1人暮らしの男性と猫の関わりが涙を誘う。

しかしぎじゅ太との別れも過ぎ去ってしまえば淡々と語り、残されたみャ太(変換が面倒だな)とふたりの生活を大切に過ごしていくのだが・・・。

みャ太は病気になってしまう。

そしてページをめくると次の章のタイトルは・・・。

・・・「絶望」・・・。

・・・であった・・・。

ここで読むのはやめた。

時間は11時を過ぎていた。

ここでみャ太に死なれて、他の本を読んで気持ちを明るくするには時間が足りない。

もしかしてぶー子が1日目に読むのを止めた時点も、ここかもしれない。

このままでは眠れないので、浄水器を買っているところが替えのカートリッジと一緒にくれる冊子を読んだ。

「じめじめの梅雨時期を快適に過ごそう!!」が巻頭の特集だ。

まったく興味がないのですっかり眠くなり、電気を消した。

酒を飲まなかったからなかなか寝付けなかった。

覚えてないが嫌な夢を見たような感じだけ、朝になったら残っていた。

はぁー・・・。

残りを読めるだろうか。

飼い主の彼に、救いがあって欲しい。

「猫の神様」東良美季 新潮社

http://www.shinchosha.co.jp/topics/nekokami/

紹介してくださったサイト (猫好きな方は楽しいですよ!)

エルの成長日記

http://ls-physical.seesaa.net/