人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

エル

また子猫の危機だ。

成長が遅いとは思っていた。

でも始めの死にかかってた1週間は体重が減っていたのだ。

出遅れたんだろうとあまり気にしなかった。

ところが昼過ぎ、ダンナが子猫を手に持ち深刻な顔で部屋に入ってきた。

「呼吸が荒い・・・。」

・・・それは前にも深夜、私がミルクをやった時にも気がついた。

でも良く寝ていたからそんなもんなんだろうと結論を出したのだ。

ところが今回はもっと酷かった。

人間だったら「肩で息をしている」、そんな状態だ。

心なしか元気も無い。

また病院だ。

「確かに荒いですね・・・。」

子猫だからこんなもんなのだ、と言うのを期待していたがこう言われ、

私はかなり動揺した。

「胸が随分ペコペコ動きますが、ずっとこんな感じでしたか?」

ペコペコ・・・?意味がよくわからない。

どうやら呼吸に合わせて必要以上に動いていると言うのだ。

レントゲンを撮った。

やはり、吸う時と吐く時とで全然胸骨の位置が違うという。

「これは・・・何か胸の骨に異常がありますね。漏斗胸とかそういった感じの・・・。」

それにより呼吸が辛くなっているらしいのだ。

そのせいで心臓の位置も動いているとのこと。

目の前が真っ暗になってしまった。

まだ小さいのでどうにも診断もつけられないし、治療法もほとんどないらしい。

連れて帰ったがショックがでかい。

相変わらずフーフーと深い息をしている。

この子はいつまで生きられるんだろう?

名前をやっとつけた。「エル」。

Liveの「L」、

Live Longの「L」。

酒を飲んだ。

やってられない。