さて、目黒さんが家にやって来た。
音楽を通じて知り合った人ではあるが、のちに彼が書いた闘病記を読んでからは、健康の話も良くするようになった。
とにかく彼の闘病が壮絶だったので何度でもその話はしてもらうが、その病気が糖尿病だったので、こちとらダイエットで糖質について聞いたりする不届きものである。
念のため、目黒さんの糖尿病は、生活習慣病からくる糖尿病ではない。1型糖尿病という、体質由縁の真っ当な方だ。生死の境をさまよう体験や、厳しい食事制限とそれにブチ切れる話など盛りだくさんの闘病記で、その苦労を知った。
今では腕に付けた血糖値測定センサーを見つつ、好きなものを食べているようだ。食べるものでコントロールするのではなく、血糖値を見てインシュリンでコントロールしているとのこと。凄い進化だ。そのセンサー欲しい(笑)
以前このブログで、「炭水化物(糖質)は、アルコールの分解の助けになるのではないか」という疑問を書いたことがあった。要は、シメのラーメンを食べたかったのである(笑)
目黒先生の見解だと、「仮にそうであっても、アルコールの分解に使う糖質なんてそんなにないと思うし、お酒の後のラーメンなんか悪いことの方が多いよ。」とのこと。ガックシ。
諦めきれず、おにぎり路線でいこうと秘かに思っている。
そんな目黒さんが言うには、健康の敵は「ストレス」。
自身の闘病中にも、完全禁酒をしていた時に我慢の限界が来て、「死んでもいいから飲んでやる」とヤケクソで飲んだことがあったらしいが、これが全く大丈夫だったと。
これはほんの一例で、ストレスが引き金になっているんじゃないかという事例が多いとのことだ。
「だからね、お酒とか飲んだ後には肝臓に、『ごめんな、ありがとう』って言って労わるようにしてるんだ。」目黒さんは、お腹のあたりをさすった。
確かに、ストレスは数字に表れないので検査では無視されがちだ。そういうものが健康に害を及ぼすなら、こういう労りが内蔵に効く可能性があってもいい。
目に見えないものをないものとする、現代の悪しき思考。
スピリチュアルなどという神秘的なものではなく、もっと科学的にとらえられてもいいのではないだろうか。
「ごめんね、いつもありがとう。」
肝臓の位置は、右側のみぞおちあたりにあるらしい。
手を当てて声をかけてみたら、すごく悲しい気持ちになった。
私はどれだけ無理をさせて来たのだろう。
内臓は、人間に備え付けられた単なる臓器ではない。共に生きていく仲間だったことを知る。
ごめんね、いつも、ありがとう。
今度は精神力が頑張る番だ。