人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

ヴィジット

怖いの続きます。

「シックスセンス」のM・ナイト・シャマラン監督作品。

      

 監督: M・ナイト・シャマラン

 キャスト: オリヴィア・デヨング、エド・オクセンボウルド

 

祖父母の家で一週間を過ごすことになった、ベッカとタイラーの姉弟。

母親は、父親との交際を猛反対されて19歳で家を出て以来、祖父母とは疎遠になっていた。

結局父親は新しく女を作って出て行き、親子3人で暮らしていたところ、祖父母が「孫に会いたい」とアクセスしてきたのである。

一体母と祖父母の間に何があったのか、家を出た時の話には口を閉ざす母。

今回の訪問は子供二人だけ。

ベッカはこの滞在を動画に撮り、ドキュメンタリー映画にすることにしている。母の中に残るわだかまりが溶けるような、魔法の言葉が撮れないか。

 

初めて会う祖父母はとても優しく、楽しい休暇になりそうだった。

しかし一日、一日、と過ごすうちに見えて来る祖父母のまた違った一面。

彼らは老人だ。呆けてしまって自分をコントロールできないのは仕方がないことだ。

理解に努める姉ベッカと、恐怖を覚える弟タイラー。

リビングにカメラを仕掛け、夜の間の様子を隠し撮ろうと言うタイラー。

そんなことはすべきでないとベッカはたしなめるが、母親が迎えに来る土曜日まで、やり過ごせるのだろうか・・・。

 

幽霊や怪物など出てこない、人間的恐怖スリラーだ。

祖父母の奇行は老いからくるもので恐怖の対象ではない、と、私達も姉ベッカの心境で観ているはずなのだが、どうしても押し寄せて来るそこはかとない恐怖。

その恐怖を認めることは祖父母を異質と認めることであり、この曖昧なボーダーを行き来するために何度も揺さぶられることになる。

そして終盤の「衝撃の事実」。

 

上質なスリラー映画だ。

最後に母親が「実家を出た日」のことを語って終わったのも良かった。悲しみの中に小さな救いを見た。

単なる恐怖映画で終わっていない。

クライマックスのBGMの使いかたにシビれた。エンディングもクール!

 

ぽ子のオススメ度 ★★★★☆

ダンナのオススメ度 ★★★☆☆