何が怖いって、「何が怖いのかが分からない事」である。
監督:M.ナイト・シャマラン
キャスト:ホアキン・フェニックス 、ブライス・ダラス・ハワード
この村と、彼らの森との境界線を越えてはならない。
「語ってはならぬ者」との協定だ。
彼らはそれを守り、ずっと森の中の村で暮らしてきた。
概ね平和であったが、「語ってはならぬ者」は、時々「忘れるな」と言うように威嚇する。
そのままその暮らしは続くはずであった。
しかし、愛する者を救うために、森を出たいと若者が願い出るのだ。
これはミステリーか?サスペンスか?ラブストーリーか?はたまた冒険ものか?
全てに当てはまると言える。
そして、決して「ファンタジー」ではない。
非常にリアルで、もしかしてこんな村はどこかにあるのかもしれないと本気で思わせる。
古き良き時代のアメリカを思わせる田舎の風景の中に、丸く張り巡らされる境界線。
平和な楽園と、恐ろしい「語ってはならぬ者」たちの森との境には、「安全の色」の黄色の旗が揺れている。
夜になれば松明がともされ、見張り台では一晩中警戒を怠らない。
不思議な恐怖だ。
私が恐れているものは何なんだろうか。
得体の知れないものが私を恐れさせるが、どこか楽しめるような心地よい恐怖感である。
時々ハッとするような場面もあり、その度に小さな悲鳴がこちら側で上がる。
じらすようなカメラワークも、心拍数を上げるのに一役買った。
しかし、単なる怖がらせのホラーではなく、恋愛・冒険ものとしての部分が柔らかさを出している。
そう、この森との協定は、村の住民の溢れる愛と誠実さから作られているのだ。
素晴らしい作品だと思う。
調べてみると、監督は「シックス・センス」を手がけた人だとか。
納得である。
実はあの映画もとても感動したぽ子である。
ぽ子のオススメ度 ★★★★★
ダンナのオススメ度 ★★★★☆ 怖い。現実味あり。
ぶー子のオススメ度 ★★★★☆ ラストがなぁ。