それはもう激しい苦痛であった。
本来「満腹感」とは、満たされ、幸福を感じるもののはずである。
何事も「過ぎる」と、ロクな結果にならないものだ。
その日、展覧会に行く前に、カレーの食べ放題に寄ったのだ。
厳密に言うと、「一皿お替り」というコースにしたのだが、まぁ結果は同じだろう。
糖質制限を意識したために、カレーのルーばかりを食べることになってしまったのだ。
固形物の不足を補うよう、たっぷりのルーをよそってきた。スルスルと飲み込めてしまう。
ところがこのカレー、なかなかの濃い味で、途中で辛くなってくる。
次には、水だ。
ガブ飲みしたために、急激にお腹が膨らんでくる。
食べ終わる頃に、すでにお腹はパンパンでキリキリと痛んでいた。
お店を出ると歩けなくなり、ベンチに1時間ほど座っていただろうか。
これでは次の予定に進めないので、何とか無理して展覧会には行った。
しかしその後の予定は全部パーに。もう何もする気になれん。酒すら飲まずに帰ってきたのであった。
満腹の先にあるものは、苦痛だけだ。もうほんと、食べ過ぎには気を付けたい。