パキッ・・・・・、と目が覚める。今夜は何度目か。
時計は見ない。気にしない。気持ちをフラットに。
暑い。布団を蹴る。
暑い。窓を開ける。
月が見えた。明るい月だ。写真に撮れるかな。スマホを手にする。
頭はクリアだ。思い出した次の日にやるべきことを、スマホに書き留めておく。
いいんだか悪いんだが、中途覚醒があまりにスッキリなので、こうした「ついで」ができてしまう。
お得じゃないか。便利だ。そう思うことにした。
朝が近くなれば、今度はエルが私を起こしに来るはずだ。パキッ・・・、と瞬時に目が覚める。何なら愛の言葉など囁きながら、ご飯をお皿に入れる。
悪いことばかりじゃないよ。朝まで何度目が覚めたって。
「諦める」と「受け入れる」は同じ意味ではない。受け入れることにする。
これは私の特技なのだ。夜を有効に使う。人が寝ている間、ピンポイントに活動できる。1回5分ぐらいだ、儚いが、ウルトラマンよりは長い。
受け入れることにする。