人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

1週間で一番辛い30分

魔の日曜日。

 

午前中に映画のDVDを観て、午後はずっと買い物に出ていた。

ちょっと遠くのホームセンターで猫のご飯、100均、近所のスーパー。

家に帰ったのはもう夜の7時に近くなっていた。

 

晩ご飯は、スーパーで買った総菜だ。晩ご飯、というか・・・。

「ローストビーフ。」

「天ぷら。」

「これを酒のつまみにしたら、さぞかし・・・。」

「いいねぇ。」

「じゃ、始めますか。」爆笑。

「いやいや、もうホントに。さすがに。いい加減。」

「だよね。もうやめよう、そういうの。」

「じゃあ、いただきます・・・・・。」

「・・・いいの?」笑いがこみ上げてくる。

「いやオレは別に。」別にどっちなんだ。

「はぁ~~~~~、ああ!!」

「いいんだよ?!いいよ!?いいか!?」

「い、い、よ、よ、良くない・・・・・・。」

沈黙。

「始めるなら早い方が・・・・・・・。」

「えっ・・・・・。」

「ダメ!ダメ!ダメ!!」

「うん、ダメだ、ダメ、いや、うん。」

沈黙。

「オレね、用意するのが面倒臭いだけなんだよ、うん。」

「てことは、誰かが用意すれば、それはいいと。」

「うん。」

「いいの!?」

「いや、・・・良くない。」

「あ~~~~~~~~~~~!!」頭を抱える。

沈黙。

「・・・寝酒すっか。」爆笑。

「いいのね!?いいんだね!?」

「いや・・・、うん。」

「・・・今日は買い物したし、やるべきことはやったよ。『飲んだだけ』にはならないよ。」

「うん・・・・・・。」

「頑張ったよ。」

「祝杯だ。」

「あ~~~~~~~~!!」頭を搔きむしる。

 

「もう食べちゃおう。これは晩ご飯。いただきまーす!!」

「美味しいね。」

「あぁ、つまみが減っていく。」

「いや、まだ遅くはない。」

「飲みたいなぁ~。」

「明日後悔するよ~。」

初々しい恋人同士のように、見つめ合っては目をそらす。お互いに、決定打は相手に踏ませたい。

 

「明日になれば、これで良かったと思うはずだよ。」

やがてダンナは吹っ切れたように言った。

「・・・何その『脱した』感は。」

こんな茶番を30分も演じたため、「つまみ」はもう残り少なくなってしまった。今から「始める」にも、微妙な時間帯だ。脱したのか。

 

「あの『寝酒』のあたりがキツかった(笑)」

戦いを振り返り、乗り越えた自分たちをちょっと誇らしく思う。

1週間で一番辛い、30分であった。

明日になれば、これで良かったと思うはずだ。

 

はー、きつかった~!!

頑張りました。