魔の日曜日。
午前中に映画のDVDを観て、午後はずっと買い物に出ていた。
ちょっと遠くのホームセンターで猫のご飯、100均、近所のスーパー。
家に帰ったのはもう夜の7時に近くなっていた。
晩ご飯は、スーパーで買った総菜だ。晩ご飯、というか・・・。
「ローストビーフ。」
「天ぷら。」
「これを酒のつまみにしたら、さぞかし・・・。」
「いいねぇ。」
「じゃ、始めますか。」爆笑。
「いやいや、もうホントに。さすがに。いい加減。」
「だよね。もうやめよう、そういうの。」
「じゃあ、いただきます・・・・・。」
「・・・いいの?」笑いがこみ上げてくる。
「いやオレは別に。」別にどっちなんだ。
「はぁ~~~~~、ああ!!」
「いいんだよ?!いいよ!?いいか!?」
「い、い、よ、よ、良くない・・・・・・。」
沈黙。
「始めるなら早い方が・・・・・・・。」
「えっ・・・・・。」
「ダメ!ダメ!ダメ!!」
「うん、ダメだ、ダメ、いや、うん。」
沈黙。
「オレね、用意するのが面倒臭いだけなんだよ、うん。」
「てことは、誰かが用意すれば、それはいいと。」
「うん。」
「いいの!?」
「いや、・・・良くない。」
「あ~~~~~~~~~~~!!」頭を抱える。
沈黙。
「・・・寝酒すっか。」爆笑。
「いいのね!?いいんだね!?」
「いや・・・、うん。」
「・・・今日は買い物したし、やるべきことはやったよ。『飲んだだけ』にはならないよ。」
「うん・・・・・・。」
「頑張ったよ。」
「祝杯だ。」
「あ~~~~~~~~!!」頭を搔きむしる。
「もう食べちゃおう。これは晩ご飯。いただきまーす!!」
「美味しいね。」
「あぁ、つまみが減っていく。」
「いや、まだ遅くはない。」
「飲みたいなぁ~。」
「明日後悔するよ~。」
初々しい恋人同士のように、見つめ合っては目をそらす。お互いに、決定打は相手に踏ませたい。
「明日になれば、これで良かったと思うはずだよ。」
やがてダンナは吹っ切れたように言った。
「・・・何その『脱した』感は。」
こんな茶番を30分も演じたため、「つまみ」はもう残り少なくなってしまった。今から「始める」にも、微妙な時間帯だ。脱したのか。
「あの『寝酒』のあたりがキツかった(笑)」
戦いを振り返り、乗り越えた自分たちをちょっと誇らしく思う。
1週間で一番辛い、30分であった。
明日になれば、これで良かったと思うはずだ。
はー、きつかった~!!
頑張りました。