ヨーロピアンな前衛的なアニメーションは、日本人には親しみにくいのではないかと思う。
それでもいつの間に惹き込まれてしまう、幻想的なマロナの物語だ。
監督:アンカ・ダミアン
声:のん、小野友樹、平川新士
純血種の父、混血の母のもとに生まれたマロナは、9匹兄弟の末っ子。
父犬のもとに引き取られるも、ものの12分で捨てられてしまう。
そこから始まるマロナの彷徨える人生。
誰も最初は優しい。
それでもマロナはいつか嗅ぎ分けてしまう、別れの時。
犬は人間を守るもの。
何度裏切られても、マロナは人間を愛し続ける・・・。
アニメというよりも、まるで動く展覧会である。
終始つきまとう不思議な雰囲気は不安定で、まるでマロナの気持ちそのもののようだ。
動物の持つ純粋さと、人間の身勝手。
この対比に心を痛める。
後味が悪いはずなのに嫌な感じが残らなかったのは、やはり美術的な要素が大きかったからではないか。
犬か絵が好きじゃなければ、おすすめできないが。
ぽ子のオススメ度 ★★★☆☆
ダンナのオススメ度 ★★★☆☆