人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子56歳。

マロナの幻想的な物語り

ヨーロピアンな前衛的なアニメーションは、日本人には親しみにくいのではないかと思う。

それでもいつの間に惹き込まれてしまう、幻想的なマロナの物語だ。

 

 

   監督:アンカ・ダミアン

   声:のん、小野友樹、平川新士

 

純血種の父、混血の母のもとに生まれたマロナは、9匹兄弟の末っ子。

父犬のもとに引き取られるも、ものの12分で捨てられてしまう。

そこから始まるマロナの彷徨える人生。

誰も最初は優しい。

それでもマロナはいつか嗅ぎ分けてしまう、別れの時。

犬は人間を守るもの。

何度裏切られても、マロナは人間を愛し続ける・・・。

 

アニメというよりも、まるで動く展覧会である。

終始つきまとう不思議な雰囲気は不安定で、まるでマロナの気持ちそのもののようだ。

動物の持つ純粋さと、人間の身勝手。

この対比に心を痛める。

後味が悪いはずなのに嫌な感じが残らなかったのは、やはり美術的な要素が大きかったからではないか。

犬か絵が好きじゃなければ、おすすめできないが。

 

ぽ子のオススメ度 ★★★☆☆

ダンナのオススメ度 ★★★☆☆