観念して、衣替えに着手。
毎年そうだが、少しずつ半袖を出してくるために、だんだんタンスに入りきらなくなってくるのである。
そりゃそうだ、出した分しまわないと、当然こうなるわな。
溢れた分は、タンスの上に積み上げられる。
あぁもう、ホントこういうのイヤEE:AEB30・・・とか言ってみたかった(笑)別に平気だが、今は「平気じゃない自分」に生まれ変わる時なのだ。この状態を見過ごすな、慣れるなEE:AE482
しまう長袖は、タンス以外にもあった。
ゲンナリ。
いつもなら逃げるところだが、今の私は違う。頑張れ、お前ならできるぞ。クローゼットを開ける。
その右端には、アイロン待ちの洋服が積み上げられていた。
ダンナのYシャツが主だが、彼は普段着も「襟のない服を着たくない」という人なので、コットンなどアイロンがけの必要な服も多い。
そして私の服にもアイロンをかけたいものがあるが、他に着れる服があるので後回しである。結果私の服は、アイロン待ちラインの一番下へと沈んでいくのであった。
その上にはダンナの私服。着るのは休日だけだから、これも順位としてはYシャツより後だ。
堂々第一位は、会社に来ていくYシャツである。
形状安定シャツならまだアイロンがけも楽なんだが、ある時バンド仲間から大量にいただいたもののほとんどが形状不安定型だったのだ。
そして私はこまめにアイロンがけなどしないので、大量にあるのをいいことにどんどん新しいのを出していく。
そしてそれは洗濯が終わった後に、クローゼットの中のアイロン待ちラインに置かれる。どんどん置かれる。
こうして積まれたのが、この山なのであった。
ここまで山になってくると、下の方の様子など忘れてしまう。
山の中から必要なものを最低限の数だけ抜いて、アイロンをかける。
記憶から外れたものは、この山を出ることはない。
冬が終わり、春が終わろうという今、この山のほとんどが長袖であった。これを、しまう時が来たのである。
一応、一枚一枚確認して収納ケースに入れていくが、下に行くほど懐かしいものが出てきてまるでアルバムの如し。
着ようと思ってとうとう着ることのなかったクシャクシャの私の長袖が出てきて、これで終わるはずであった。
それなのに、この下にあるものは一体何なんだ?
ダンナの私服、七分丈(笑)なるほど、七分とは中途半端だ。君は長袖にも半袖にもカウントされることなく、私の服より下に行ってしまったのか。
ハンカチいっぱい(笑)
ダンナはタオルハンカチを使ってるし、私の方は、この際ハッキリ言うが、ハンカチを使うことなどほぼ皆無なのである。
あれは、持ち出してチラ見えすることにだけ、意義がある。
トイレに行ったってエアタオルやペーパータオルの方が早いし、拭きたくなるほどの汗など滅多にかかない。
ティッシュがあれば、たいがいのことは足りてしまうのである。
しかし女性のバッグにハンカチが入っていないと、それだけでとてつもない野生児感が漂ってしまう。
もはや性別の認識のためにだけ入れているような存在なので、バッグに入れたら入れっぱなしだ。
回転などしない。してもバッグの数+1だけ予備があれば、足りてしまう。
それにしてもダンナは、毎日きちんとハンカチを取り替えている。本当に不思議だ。
食べ終わった弁当箱をちゃんと出したり、それが軽くゆすいであったりするのも驚きだ。
私の「人並みレベル」は、まだまだ低いとみた。先は長い。
ハンカチの下からは、もう見覚えもなくなってしまったスカーフ(スカーフEE:AEB2F)、そして去年とうとう手をつけなかった1年待ちの半袖が出て来て、最後に一枚、貰い物のピンクのベストがペッチャンコになって現れた。
ピンクのベスト・・・、これ、着ようと思ったのか??エスニックな柄が入っていて、とても合わせにくいアイテムであった。
変な形のまま上から一年分押されていたので(いや、絶対に一年ではない。)、変な跡がガッチリついてしまっている。
これは、リサイクル行き。でもこのままではクシャクシャで印象が悪く、査定が下がりそうなのでアイロン最優先へ下剋上だ。
そして、下から現れたのは、これらアイロン待ちを入れておくための大型の収納バッグであった。ペッチャンコ。
そもそもはこの中に収まっているはずだったのだ。いつからこんなことに。
長袖を引っ込めたら今度は半袖のアイロン待ちをここに置くことになるが、これもすでに大量。
こんなんではこの場所は、つねにアイロン待ちの山である。
急がないものはここに置かず、別に2軍のベンチを作ることにした。ここには先鋭を、収納バッグに入る分だけ置くことにする。
他に、なぜか靴と5年前の合唱バッグ、大量のボロ着があり、全部整理したら非常にスッキリした。気持ちがいい。
クローゼットがひとつ、片付いた。
夢がひとつ叶った時である。