人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

春巻きのハードル

チンジャオロースに続いて、春巻きだ。タケノコの水煮を消費せよ!

 

春巻きは結構好きな料理の一つだが、あまり食べる機会がない。

作るのは面倒、外で食べようと思うともっと他に食べたいものがある。

結局食べることになるのはバーミヤンの春巻きぐらいで、いつも「この程度の・・・」などという失礼な思いしか残らないのであった。

 

春巻きが美味しいのは、やはり揚げたて(場合によっては焼くこともあるようだが)だ。

パリッとした皮の食感。

これに関しては、バーミヤンもいい。

しかし往々にして安い春巻きは、中の具が残念なことが多い。

総菜などはしっかり具が入っていることもあるが、冷めていて皮がもうしんなりしている。

パリッとした皮に、ボリュームたっぷりの具。

これが叶うのはちゃんとした点心の春巻き、つまりお高い春巻きか、家庭で作るかということになるのだろう。

 

そこで水煮タケノコだ。

大きいのを買ってしまったため、チンジャオロースを作ってもまだ余っていた。

具だくさんでパリッと揚がった春巻きを思った時、もうその手間など惜しむ気はなくなった。

あれを食べるぞEE:AEB30パリッパリのEE:AEB30

 

これまで作ってきた春巻きは、家にあるレシピ本に倣った。

さすがに自力では、成功する気がしない。

最後に作ったのはいつだっただろうか。好きなので年に一度は作ってると思うが。

食べたいと思ったものには、妥協しない。

「簡単」だとか「時短」などと謳っているものは却下。

面倒でもちゃんとしたやつ。

 

調理はザックリと5段階。

食材を切る。

調味料を合わせる。

炒めて味付けをする。

冷ましてから包む。

揚げる。

文字にすると5行だが、切る食材は7種類。

並行して春雨を茹でる。

包むったって、皮を最初に全部剥がす時間も考えてくれ。

結構面倒なのだ。そのぶん、美味しくあってくれないと困る。それを期待しているのだ。

 

「春巻き、何本食べる?」

ダンナに聞くと、「えっ?揚げたて??何本あるの!?うわ~~、全部食べたいけどなぁ、う~~~ん、他にもおかずがあるなら4本、・・・3本にしておくかEE:AEB30」と嬉しそうだ。

私も同じく、「4本、・・・3本にしておこう」と決め、残った4本は冷凍した。

 

 

見るからに不味そうな春巻きができた。

6本の大きさは不揃い、いくつかは穴が開き、シナシナになって軽く焦げていた。

言葉もない。

あの手間の見返りが、これとは。

 

もはや何の夢も希望もなく、恋い焦がれた春巻きを口に入れる。

ベチャッとした皮の中から、大量の具が溢れだしてきた。噛み切れん。

悔しいことに、この中身はとても美味しかった。

悪いのは、レシピの考案者ではない。作った私であるのは明らかだ。

 

「もうお腹がいっぱいになっちゃった・・・、こんなに大きいとは・・・。」

ダンナは2本で止めてしまった。

かくいう私も先日の巨大ハンバーガーではないが、1本を食べてる途中でもう満腹だ。

しかし、美味しければ多少苦しくてももっと食べたくなるものである。

これは、失敗春巻きなのだ・・・。

 

この後のために調べてみたが、敗因は、詰め込み過ぎ、一気に高温で一度にたくさん揚げた、というところのようだ。

あんなしょうもない春巻きを食べたために、ますます美味しい春巻きが食べたくなってしまった。

でもあの手間を思うと、しばらく作る気にはなれそうにない。

 

 

母の春巻きを思い出した。