チンジャオロースに続いて、春巻きだ。タケノコの水煮を消費せよ!
春巻きは結構好きな料理の一つだが、あまり食べる機会がない。
作るのは面倒、外で食べようと思うともっと他に食べたいものがある。
結局食べることになるのはバーミヤンの春巻きぐらいで、いつも「この程度の・・・」などという失礼な思いしか残らないのであった。
春巻きが美味しいのは、やはり揚げたて(場合によっては焼くこともあるようだが)だ。
パリッとした皮の食感。
これに関しては、バーミヤンもいい。
しかし往々にして安い春巻きは、中の具が残念なことが多い。
総菜などはしっかり具が入っていることもあるが、冷めていて皮がもうしんなりしている。
パリッとした皮に、ボリュームたっぷりの具。
これが叶うのはちゃんとした点心の春巻き、つまりお高い春巻きか、家庭で作るかということになるのだろう。
そこで水煮タケノコだ。
大きいのを買ってしまったため、チンジャオロースを作ってもまだ余っていた。
具だくさんでパリッと揚がった春巻きを思った時、もうその手間など惜しむ気はなくなった。
これまで作ってきた春巻きは、家にあるレシピ本に倣った。
さすがに自力では、成功する気がしない。
最後に作ったのはいつだっただろうか。好きなので年に一度は作ってると思うが。
食べたいと思ったものには、妥協しない。
「簡単」だとか「時短」などと謳っているものは却下。
面倒でもちゃんとしたやつ。
調理はザックリと5段階。
食材を切る。
調味料を合わせる。
炒めて味付けをする。
冷ましてから包む。
揚げる。
文字にすると5行だが、切る食材は7種類。
並行して春雨を茹でる。
包むったって、皮を最初に全部剥がす時間も考えてくれ。
結構面倒なのだ。そのぶん、美味しくあってくれないと困る。それを期待しているのだ。
「春巻き、何本食べる?」
ダンナに聞くと、「えっ?揚げたて??何本あるの!?うわ~~、全部食べたいけどなぁ、う~~~ん、他にもおかずがあるなら4本、・・・3本にしておくかEE:AEB30」と嬉しそうだ。
私も同じく、「4本、・・・3本にしておこう」と決め、残った4本は冷凍した。
見るからに不味そうな春巻きができた。
6本の大きさは不揃い、いくつかは穴が開き、シナシナになって軽く焦げていた。
言葉もない。
あの手間の見返りが、これとは。
もはや何の夢も希望もなく、恋い焦がれた春巻きを口に入れる。
ベチャッとした皮の中から、大量の具が溢れだしてきた。噛み切れん。
悔しいことに、この中身はとても美味しかった。
悪いのは、レシピの考案者ではない。作った私であるのは明らかだ。
「もうお腹がいっぱいになっちゃった・・・、こんなに大きいとは・・・。」
ダンナは2本で止めてしまった。
かくいう私も先日の巨大ハンバーガーではないが、1本を食べてる途中でもう満腹だ。
しかし、美味しければ多少苦しくてももっと食べたくなるものである。
これは、失敗春巻きなのだ・・・。
この後のために調べてみたが、敗因は、詰め込み過ぎ、一気に高温で一度にたくさん揚げた、というところのようだ。
あんなしょうもない春巻きを食べたために、ますます美味しい春巻きが食べたくなってしまった。
でもあの手間を思うと、しばらく作る気にはなれそうにない。
母の春巻きを思い出した。