人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

梱包された過去

ちょっと前から気になることがあり、日記を見て確かめたかったのだ。

日記は日記だ。このブログの日記ではなく、日記帳の方。

気にはなるが大したことではなかったので、そのまま何日か経っていた。

日記を読み返すためには、厳重に梱包したあの袋を破って、読んだらまた厳重に梱包しなくてはならないのである。気合がいる。

なので延び延びになっていたのだが、今日は掃除のペースが良かったので、きりのいいところで日記の袋を破る決意ができたのであった。

もう古い日記である。古くて長い。

時期はだいたいわかっていたので目的の日を探し出すのはさほど難しいことではなく、私が気になっていたことも簡単に明らかになった。

ものの5分だ。ここで終わっておけ。

しかしここで終わったらこれはまた厳重に梱包され、それが故に「触れるなキケン」ほどのハ-ドルになってしまう。読むなら今がチャンスだ。

チャンスというのも変だが、読まれる予定のないものをしまっておくのもおかしな話である。

この日記もご多分に漏れず非常にこっぱずかしいものになっているが、自分の過去には愛着があるということなのだろうか。まだ捨てる気にはならない。

中学生以前のものは、さすがに書いた本人も読むに耐えなくなったので処分した。

今日読んだ日記も、かなり耐え難くなってきていた。

こういうものには「賞味期限」があるのだろう。あと数年で、捨てられる気がする。

日記の入っていた袋はビリビリに破かないと開けられないような仕様になっていたので、今度は新しい袋に入れ、ベッタリとガムテープを貼り付ける。これを厳重という。

はー、なんか読むんじゃなかったかな。

ブログは、人の目に触れてもいいようなことを人の目に触れてもいいように書いているが、日記は自分だけの世界だ、遠慮がない。

思い出したくないようなことなんか書いてあれば、読むたびに思い出してそのシナプスを強化する。

少々ウンザリした気持ちで日記袋を引き出しに入れると、他の似たような袋が目に入る。

こちらは「厳重」ではなく、梱包の方法こそ似ているが、簡易版であった。

なんじゃこりゃ?

開けてみると、手紙の束であった。

あぁこの展開、引き出し開ける度にこれねEE:AE4E6

気になるじゃないか。ちょっとだけ・・・。

切手が貼ってあるものは、外から見ただけでもだいたい内容は覚えていたり予想できるものである。

メモや折りたたんだ便箋のものには記憶がなく、そちらについ手が伸びる。

「サンタサンヘ。ワタシハファービーガホシイデス」

おお、幼きぶー子よ!!しかしなぜ全部カタカナ!!

「オレンジハ、タベテクダサイ。

コノフクロハ、モッテカエルナラ、イレテ、

タベルナラ、オレンジノ、カワヲ、イレテネ」

なんだ、妙に気が利いてるが、わかりにくいぞ。持って帰るのは袋かオレンジか。てか、オレンジ??

「ピカチュウとマリルにも、できたらなんかください」

カタカタやめて素に戻ってる。ぬいぐるみのお友達の分も頼むとはがめついやら優しいやら。

「デハ、オヘンジクダサイ。メリークリスマスサンタサン」

優しいやら、ホロリEE:AEB69

こういう暖かさは、メールにはないものだろう。もう廃れているのかもしれない。貴重な手紙だ。

これこそ厳重梱包にて永久保存ではないか。

あ、でも厳重にしちゃうと読まなくなるのかEE:AE5B1

このまま無防備に入れておくことにしよう。

そろそろここに残すのは、美しいものだけにするべきなのかもしれない。