髪を切った。半年ぶりと言われたが、まだそんなもんだったか。
前髪も切らず、ひたっすら伸ばしっぱなしであった。
仕方がない。
私は白髪頭を染めなくてはならないので、美容院への出費が痛いのである。
結果、割引券が来るまで待ってしまい、このようなことになる。
しかも今回は、例の「泥酔後頭部強打事件」により長い間タンコブが痛んでおり、期間ギリギリまで待ったのだ。
恐るべきビフォーアフターとなった。
変身ついでに、髪の色を変えた。
白髪が目立たないように「いちっばん明るい色で」と毎度注文していたが、これが凄い色であった。赤茶。
「派手」というのはさほど嫌いじゃないが、洒落っ気のない派手さはこの年齢では命取りだ。
赤味を抑えて黄色っぽい明るさに、と伝えても、どうも家で使っているヘアマニキュアとの相性が良くないらしく、思ったような色に仕上がらないとのことであった。
かといって、マニキュアを使わない訳にはいかないのである。白髪は日々成長しているのだ。白くなった途端に成長が早くなったのではないかと思うくらいである。
マニキュアは週1回だ。代わりに美容院に行くには頻度が高過ぎる。
仕方なくこの変な赤い色で耐えていたが、もうこの辺で大人になろうと思う。
かくして現在、落ち着いた栗色になった。
厳密には「アッシュで」と言って困らせたが、やはり元の毛色を理由に「無理だと思うけどやるだけやってみますか」という結果である。
まぁ無難な色だ。
「あのババァ、相当飲みそうだな」というはっちゃけた感じがなくなったのは淋しいが、まだまだ相当飲むつもりでいるので、どうか周りの方には目を離さないでいただきたい。
それにしても、この変化には誰も気づいていない。
顔そのものが「相当飲みそうなババァ」なのかもしれない。